加藤のメモ的日記
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急増する65歳以上の独居者
「無縁死3万2000人」この衝撃的な数字が発表されたNHKスペシャルの放送から約2年。東日本大震災の仮設住宅で、また一つの孤独死が発生した。65歳以上のいる世帯約、2.080万世帯は全体の43%にものぼり、少子化、離婚、未婚率の上昇が進む中、孤独死はごく身近な”終わり方”になろうとしている。
「東日本大震災の復興の途上にある福島県の仮設住宅で、67歳男性が孤独死」このニュースが報じられたのは、昨年12月11日。震災から9カ月目の朝だった。福島県双葉町出身の男性は、津波で妻を亡くし、原発事故で故郷を追われ、同県白河市の仮設住宅で、一人暮らしをしていた。「お世話になっているお礼」と、ボランティア活動に積極的に取り組む姿もよく見られたという。双葉町住民が再開するイベントが行なわれる予定のこの日、男性が姿を現さないことを心配した友人が、警察官に連絡。窓を破って中に入ったところ、風呂場で冷たくなっている男性を発見した。死因は心臓発作と見られる。
毎月20人の”無縁仏”を送る
東京都監察医務院の調べによると、東京23区内で、65歳以上の独居者が自宅で死亡したケースは、平成14年は1364人。平成20年は2211人と、約1.6倍になった。都市再生機構が運営管理する賃貸住宅でも過去10年間で約3倍に増加している。社団法人全日本冠婚葬祭互助会(以下、全互協)会長の杉山氏は「孤独死が発見されると、警察から葬儀社に『遺体を預かってほしい』と、連絡が入ります。引き取り手が見つからなければ、私たちだけでお骨にすることもあります。と話す。
杉山氏が代表を務める静岡県の葬儀社で取り扱う毎月約300件の葬儀のうち20件ほどは無縁仏として葬らざるをえないという。たった一人で旅立つ方を送るたびに、『この方はどんな人生を歩んだのか。家族や仕事もあったはずなのに』と、どうにもやるせない気分を味わうものです。
無縁社会の今
全互協では、1月に「無縁社会を乗り越えて」と題した座談会を開催した。パネリストの一人で「パラサイトシングル」「婚活」などの流行語を生んだ中央大学の山田教授は「団塊の世代は、子供2人のうち1人は未婚か、離婚すると覚悟すべき」と提言している。また「21世紀に入り、結婚や就職をしたくでもできない人が増えた。縁を持つ人、持たない人の格差が広がっている」と指摘した。 新しい”縁”のあり方についての議論も交わされた。宗教学者で東大大学院の島園教授は、「ガンや肝臓病、アルコール中毒などの患者同士が助け合うセルフヘルプグループが各地で活動している。同じ問題を共有することから生まれる”問題縁”が絆を結ぶ時代になってきた」と話した。
北九州ホームレス支援機構理事長の奥田氏は、「そういったグループの存在を知らない人にも手を差し伸べられる仕組みづくりが課題です。内閣府はすでに縁のコーディネイトをする”パーソナルサポートサービス”の制度化に取り組んでいるが、今後はこういったサービスが社会保障の軸になるのでは」と話す。作家で互助会も経営する一条氏は、自身が営む冠婚葬祭会社での取り組みとして、「血縁が失われても地縁は残っている。私たちは『隣人祭り』といって、地域の人を集めて紹介しあう食事会を開催している」と紹介した。
有名タレントでさえ恐れる「孤独死」
1月31日に32歳差婚を発表したタレント・ラサール石井(56歳)は、再婚の理由を聞かれて、「孤独死が怖かったから」と答えた。しかし、少子化、都市への人口流失、未婚率・離婚率の上昇など、さまざまな要因により、血縁・地縁・社縁・学縁などの縁は希薄になっている。社会の”無縁化”孤独死は増え続け、年齢差婚だけでは、とても解決しそうもない。
『週刊ポスト』3.23
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