加藤のメモ的日記
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大阪市全職員思想調査
市職員に「業務命令」で、組合活動や政治活動への参加や、誘った市民・国民の名前まで報告させる。そんな内容の「思想調査」アンケートをした橋本大阪市長に、「憲法違反」との強い批判が広がっている。21には、足元の大阪市教育委員会でも、教職員へのアンケート調査拒否を決定した。
ファッショ政治を全国に押し広げようと画策する橋本市長と「維新の会」。日本共産党は、思想調査の矛先は職員だけでなく、「市民・国民に向けられている」(志位和夫委員長)と指摘した。人権と民主主義を守るため、国民的共同を広く呼びかけている。
橋本市長の”思想調査アンケート”は「凍結」されたが、憲法違反のものを出すこと自体が問題である。仮に組合側に問題があったとしても、あのアンケートは決して許せるものではないし、市民からの働きかけも記入させるなど、ことは市職員だけの問題ではない。組合活動や政治的な思想信条の問題を、強制的に報告させるなど異常極まりない。地方公務員も法的にみれば、極めて限定的に政治活動が禁じられているだけで。市民としての思想信条や政治活動が基本的に自由なのは当然である。
橋本氏は、政治への不満のはけ口を庶民同士、弱者同士で争わせることに長けているトリックスターだと思う。「維新八策」で国政に進出すつというが、結局は弱者いじめが本質に見える。
この問題は、マスメディアの根源的な不健康さと問題提起能力の欠如も明らかにした。政策を掘り下げず、民主、自民が秋波を送るとか、政局の話ばかり。結果的に「橋本劇場」の盛り上げに手を貸してしまっている。明らかな憲法違反のアンケートには厳しく疑義を突きつけるべきなのに、ほとんどまともに伝えない。一面トップで扱ったのは「赤旗」だけ。マスメディアはこうした問題的能力を学ぶべきである。
「職員アンケート」は市長の「業務命令」で行なわれている。これはただの調査ではない。職員に恐怖を抱かせ、今後多様な意見や考え方を持たないといった方向に委縮させ、人間性まで管理してしまう一歩になると思わざるをえない。職場の中が疑心暗鬼になり、お互いに探り合ったりすれば、職場の雰囲気も硬直化する。それでは、自治体の本分である市民サービスなど二の次になってしまう。
アンケートそのものは、憲法や法律に違反した問題のある杜撰なものである。しかも行政の長である橋本さんが、役所に勤める人達の思想・信条を含めて管理する権利があるという前例がつくられると、橋本人気の中で、それは一つの規範、モデルになりかねない。そんな前例をつくってはならない。マスコミは橋本氏というある種のフィーバーのような現象だけを伝えるのではなく、情報を全体的に提供すべきである。
『赤旗』
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