加藤のメモ的日記
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2012年04月06日(金) 消費税導入は政権末期

大型間接税やら、福祉目的税やらと聞いてもなんだかさっぱりわからなかった。消費税と知らされ、やっとピンと来た。すなわち消費に税がかかる。何か買うたび、何パーセントか値段に税金が上乗せされるってんだから、さあ大変。一億国民が猛反発。損してたまるか?イデオロギー抜きの大衆団結デモが日本中で炸裂して、時の政権をぐらつかせた。

消費税問題とは、国民と政治権力の対決の歴史だった。1978年、第一次大平内閣で、一般消費税導入案が提起されるも、総選挙で惨敗、あえなく撤回。‘86年、第三次中曽根内閣で売り上げ税法が浮上したが、世論は猛反発。‘88年、ついに竹下内閣で消費税法が成立した。翌‘89年4月1日、施工され、税率3%の消費税が初めて我が国に導入された。が、それと引き換えるように竹下は首相の座を追われる。同年夏、宇野政権での参議院選挙は自民党の歴史的大惨敗。‘98年、5%に税率を引き上げた橋本内閣もまた同じく参院選で大敗した。今日まで続く衆参”ねじれ現象”はここから始まった。

自民党政権が倒れても事情は変わらない。人気抜群の細川トノサマ総理が突如、真夜中の会見で国民福祉税7%案をぶち上げたが、猛反発を食らい、一夜にして撤回したり。民主党政権が実現するも、菅直人首相がこれまた突如、マニュフェスト違反の消費税率引き上げを口にして、参院選で大惨敗。一年で首相の座を追われた。継いだ野田首相はこのままじゃ国家財政はパンクする、同情するならカネをくれ、ドジョウ総理は税をくれ!と泥臭く引き上げをゴリ押しし、政権に危険信号が灯っている。

消費税を口にすると、時の政権が倒れる。まるで呪われているかのようだ。何の呪い?竹下内閣で初の消費税法が公布されたのは‘88年12月30日のこと。その8日後、昭和が終わった。つまり”昭和の呪い”ではないか?敗戦後、国民が一丸となって豊かさを実現する。一億総中流社会。それが昭和イデオロギーだった。一転、財務官僚主導で貧しい国民にも税を強いる平成格差社会へ。昭和の夢は破れ、その呪いが噴出した。ミネルヴァのフクロウは夕暮れに飛ぶという。消費税論議は政権の黄昏に飛び交う。



『週刊現代』4.12


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