加藤のメモ的日記
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| 2012年03月16日(金) |
一日一食で若返る(1) |
一日一食で寿命が15%伸びる?腹ペコ・アンチェイジングは本当か
中高年になっても、ガンガン食べて”スタミナ”をつけている人はいかにも活力があふれ、若々しく長生きしそうに見える。しかし、最新研究によって明らかになりつつある「食」と「老化」の」関係はそのイメージを完全に覆した。
カロリー制限した猿はお肌”すべすべ”
成果的な学術誌『ネイチャー』に掲載された論文が注目を集めている。イスラエルのパール・イラン大学研究チームは、「サーチュイン遺伝子」を活性化することで、マウスが約15%長生きするという研究結果を発表した。哺乳類が有する七つの遺伝子のうち、欠損すると加齢症状に似た異常が出る「サーチュイン6」に注目した同チームは、遺伝子組み換え技術で、この遺伝子を高めたマウスを2系統作成し、寿命の変化を調べた。
その結果、オスのマウスでは、平均寿命がそれぞれ14.8%と16.9%伸びたという。サーチュイン遺伝子とは長寿遺伝子、若返り遺伝子とも呼ばれる。老化やがんの原因とされる活性酸素の抑制や、病原体のウィルスを撃退する免疫抗体の活性化、さらに全身の細胞の遺伝子をスキャンして修復するなど、さまざまな老化防止機能を持つとされる。サーチュイン遺伝子は99年に酵母から発見され、その後の研究でこの遺伝子を活性化すると、ショウジョウバエの寿命は30%、線虫の寿命は50%も伸びることが判明している。
今回の研究結果は、サーチュイン遺伝子の長寿効果が補給類で確認された初の例である。ネイチャーに論文が発表されると、「長寿化の程度は目覚ましいものだが、調査結果は細心の注意を持って解釈されなければならない。など、多くの研究者が談話を発表して早くも大論争が起きている。遺伝子発現の効果が出たのはオスのマウスだけで、メスには効果がなかったことも議論を呼んでいる。
この研究結果について、遺伝子に詳しい金沢医科大学の古屋教授(糖尿病・内分泌内科学)はこう評価する。「サーチュインを活性化させることが長寿や健康につながる可能性を高めた新たな一歩になる研究結果だと思います。長寿やアンチェイジングとの因果関係がこれから徐々に明らかになっていくでしょう」現時点ではまだ、「人間の寿命」に対する効果が学術的には証明されているわけではないが、実はマウスのように遺伝子組み換えをしなくても、「サーチュイン遺伝子のスイッチを入れる方法」がすでにわかっている。それは”腹ペコ”で我慢することである。
「飢餓状態になると、サーチュインが活性化することが判明しています。サーチュインが指令を出して、ミトコンドリアやタンパクの凝固したものなど、細胞内にある老廃物を排除するオートファージという機構が働き、細胞が若々しくなるのです」(古家教授)サーチュイン遺伝子は、空腹の状態、つまり摂取カロリーが減ると活性化する。これは動物としての防衛機能と考えられ、食料が減って養分が足りなくなると、細胞レベルの損傷を防ぐために修復機能が活性化するというわけである。
米ウィスコンシン大学では、アカゲザル約80頭を使って約20年にわたってカロリー摂取制限の実験を行なってきた。写真を見ればはっきり分かるが、食事を十分に与えられたサルは体毛が抜け、身体にもシワが多いのに対して、30%のカロリー制限を受けてきたサルは、体毛はフサフサで肌にも張りとツヤがあり、若々しさに溢れている。猿は全頭が27歳以上で老齢期にあるが、カロリー制限なしの郡38頭のうち、すでに死亡したのは14頭、カロリー制限ありの郡38頭のうち、死亡は5頭で、制限ありの方が”長生き”であることもわかった。しかも、カロリー制限ありのサル群では、がんや糖尿病、心臓病、脳委縮などの疾病が少なかった。少なくともサルに関しては、腹ペコを保つことが老化防止や若返りの効果を持つ可能性が高いと実験で確認されているのである。
「一日一食」で血も骨も若返る
サーチュイン遺伝子の効果はまだ人間では立証されていないものの、「空腹で若返る」というテーマは、アンチェイジングの分野で高い注目を浴びている。1月18日に発表された『「空腹」が人を健康にする』(サンマーク出版)が発売一ヶ月余りで20万部のベストセラーとなっている。著者の南雲クリニック院長は30代の頃、暴飲暴食で77キロまで太ったが、さまざまなダイエット法を試しながら「一日一食」にたどり着いた。食事は夕食だけ。その代りその一食は好きなものを食べることにした。
『週刊ポスト』3.16
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