加藤のメモ的日記
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平和になると困るのは、例えばアメリカと北朝鮮だ。GNPの30%を超えるような軍需関連産業を持っていれば、生産過多になる。つまり「消費」しなければ成り立たない。他の商品ならば売ればいい。輸出も内需もOKだ。しかし、武器はどうやって消費かつ換金するのか。内戦を煽って双方に武器を売るか、自ら戦争を起こすかだ。
それしか消費はない。一時的には失業した若者をアフガニスタンやイラクやリビアに派遣できるから。横暴な理屈だが、雇用対策にもなる。資金は、サウジアラビアや日本から「寄付」させ、中東やアフリカの資源を再びブンどってくればいい。数十年前に欧米の搾取を取り除き、資源の主権を奪い返したフセインやカダフィが殺されるのは、欧米にとって必要なことだと考えたわけだ。
ソマリアという国がある。ここは今、3ないし4の「国」に分かれて激しい内戦をくり返している。海賊問題でも。陸地では泥沼の殺し合いが続き、毎日大勢の餓死者が出ている。隣国ケニア軍も業を煮やして戦闘を始めた。その報復として、ソマリアの一部の軍が、ケニアの首都ナイロビに、テロを準備中と英情報機関が把握した。
そんな情報を公表されたら、たとえ事実だとしても実行は難しい。それを「事前に止めた」といことで。情報機関の予算は前年度比で減らずに済む、ということか。もはや在日本のソマリア大使館は存在しないのだ。3ないし4に分かれた旧ソマリア各国は、勝手に国境線を引いて、そこでビザ代という名の賄賂をとりた立てている。ビザとは何か、国境とは何か、国とは何か。
人類発祥の地にして、天然資源の宝庫であるゆえにだろう。餓死者と戦死者を大量に続出しているアフリカ大陸に比べれば、ユーロ圏の経済危機など全然問題外だと敢えて言っておきたい。
『週刊現代』
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