加藤のメモ的日記
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2012年01月27日(金) 1月崩壊か

金正恩を頂に置いた新王朝は、誕生の直後からあまりにも多くの不安材料を抱えており、あっという間に崩壊する可能性が否定できない。まず、王朝の内部に反抗勢力が存在している。金正恩とおりに触れ対立してきた金永春・人民武力部長が、中華人民軍の後ろ盾を得て、正恩から実権を奪う機会を虎視眈々とうかがっている。

「もし正恩が本気で拉致問題の進展に動き出したとき、軍部の強硬派は正恩を失脚させるために、思い切った行動に出るでしょう」(中国の外交関係者)さらに、正恩の側近にも反乱分子がいると見られている。金総書記は死亡の二カ月前のある日、正恩を帯同して平壌にある「護衛司令部」を訪れた。護衛司令部とは北朝鮮の高官の護衛と、暴動の鎮圧をになう部隊で、金総書記や金正恩ら指導部が最も信頼を置く部隊とされている。

「この部隊は大変重要な働きをしている。食料は確保しているか。豆や肉は十分に供給されているのか?」金総書記は部隊の担当者にこう言葉をかけ、食料の供給を約束するなどして、彼らを労ったが、この訪問の裏側にはこんな事情があったと韓国国防部関係者が説明する。

「金総書記が異例の労いを行なったのは、この部隊の中に正恩の後継に疑問を持つ勢力がいる、との情報が入ったからです。最側近の部隊の中にさえ不満を持つ兵士が現れていることが、金王朝の末期的な状況を示しています」北韓大学院の柳教授も「北朝鮮のエリート層の中でも、全員が正恩体制に賛成しているとは見られないところが多々あります。今後、指導部内で対立が生じて、金正恩を最高指導者とすることに反対する勢力が、クーデターを起こす可能性も否定できないでしょう」と指摘する。

指導部層や軍部からだけではない。市民から蜂起の火が上がることも、十分に考えられる。現在、北朝鮮には約80万台の携帯電話が出回っており、外部からの情報の収集、接触は一昔前に比べてはるかに容易になっている。「昨年2月には、北朝鮮政府が公式に設けている投稿サイトに、携帯電話から『金正日総書記と金正恩を追いだし、この国に新世界を作ろう!』という書き込みがなされました。おそらく韓国側の人間がイタズラで書き込んだものだと思われますが、中東のジャスミン革命のように、インターネットを通じて純民が蜂起する可能性も否定できないでしょう」

現在のところ金正恩は、平壌市内に魚や寒さ対策のための衣料品などを配給し、市民の不満を和らげている。しかし十分な配給物資がなくなれば、住民の怒りは一気に高まり、北朝鮮国内の治安は急速に不安定になっていくだろう。


『週刊現代』


加藤  |MAIL