加藤のメモ的日記
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| 2011年11月19日(土) |
「大阪都構想」って何 ? |
処罰ずくめの恐怖支配
橋本・「維新の会」が提出した教育基本条例案・職員基本条例案には「懲罰」と「処分」という言葉が満載である。例えば、「職務命令違反」を3回やったらクビ。「5段階相対評価」を持ちこみ、最低の「D評価」5%が2回続いたらクビ。この仕掛けの最大の被害者は府民と、とりわけ子供たちである。
「一般の公務員の場合は、国保料滞納者への強権取り立てや差し押さえの「職務命令」に対し、「いや、このご家庭にはこういう事情が」と言えば、「命令違反」1回。「ちょっと待ってください」といったら2回。「そうはいっても」といったら3回。これでクビにできる。これでは知事の顔色をうかがい、いいなりの公務員が作られる。「公務員は全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」という憲法15条に違反する暴挙である。
大阪の教育は、教育基本条例案には、「世界標準で競争力の高い人材を育てる」などの目標が並び、徹底した競争主義がうたわれる。学力テスト結果は学校ごとに公表され、「3年連続定数割れ」の高校は統廃合の競争にのみ込まれる。
教職員には、校長命令への「絶対服従」が迫られる。最低ランクの「D評価」が2年続けばクビ。学校から自由な営みがなくなり、恐怖支配が取って代わる。評価する人の顔色ばかりうかがい、子供を見なくなる教師。その最大の被害者は子供たちである。また、橋本氏と「維新の会」は、公約にもなかった「君が代」強制条例を、6月の府議会でまともな議論もなく強行採決。これについて橋本氏は「何を話し合う必要があるのでしょうか」「そもそも議論がいらない」などと語っている。
橋本氏は「大阪の力が発揮できないのは、府庁と市役所の巨大な役所が二つあるから」と繰り返すだけで、「大阪都」で役所が一つになれば、すべての問題が解決するかのように宣伝する。その看板の「大阪都構想」も中身は不明である。はっきりしているのは、府と市の権限と財源を一手に握る「大阪丸ごと乗っ取り」の野望である。また、橋本氏が掲げる市営バス・地下鉄の「民営化」では、市民の足を支える公共交通が切り捨てられる恐れがある。大阪に独裁者はいらない。
『週刊朝日』
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