加藤のメモ的日記
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2011年10月23日(日) ガン細胞が消えた(50)

信じる行為は人間の体にどれほど強い影響を及ぼすのだろうか。自分が呪いにかけられたことを信じ、横たわって死ぬのを待つ人が、ほんの一日で死ぬ「ブードウーの死」は、今の科学では十分に説明できない。ハーバード大学のウォルター・キャノンは1940年ブードウーの死を調査し「実際に殺したのは想像力である。それが人をひどい恐怖に陥れ、最後は死に至らしめるのである」と言った。

ガンは心にも重くのしかかる。抑うつ感、無感動、無関心、食欲不振……。ギリシアの医師ガレノスは、「憂鬱な状態」の女性はガンになりやすいと言った。ガンと抑うつの関係について、抑うつ状態が際立った患者は他のガン患者に比べ、ガンによる死亡率が2倍以上も高かったという調査がある。昭和51年、アメリカのジャーナリスト、ノーマン・カズンズは、腹の底から大笑いしたおかげで、強直性脊椎炎という重症から治ったと発表して話題になった。

カズンズはベストセラーになった『500分の1の奇跡』の中で「希望を持ち、愛し、信じることはその気になればいくらでもできた。でも、笑いは違う。脊椎も関節も、とにかく骨の節々が痛んで、背中を平らにして寝ていなければならないのだ。それで笑う気持ちになれっていうほうが無理な話なのだが、テレビやおかしい本を読んで、本当に心の底から大笑いすると、麻酔のような効果が表れて、何とか2時間は痛みも感じずぐっすり眠れることがわかった」と言っている。

笑いが免疫力を活性化し、リンパ球を活性化し、ナチュラルキラー細胞の活性化を促すこと、また笑いが免疫機能を低下させることで知られる副じん皮質ホルモンと、エピネフリンという2種類のホルモンを著しく低下させることが報告されている。ここ数年笑いによる癒しの力が次第に認められ、「笑いの療法士」が笑うための研修会やワークショップを開いている。   ―126

日本に欠かせない味噌汁。昔の人は「味噌汁は朝の毒消し」と言われたが、近年、味噌の機能性が評価されている。昭和56年、当時、国立がんセンターの疫学部長であった平山氏は日本癌学会において「味噌汁の摂取頻度と胃ガンの死亡率の関係」を報告した。平山氏の調査によると、味噌汁を毎日とる人と全くとらない人とでは、全くとらない人のほうが胃ガンでの死亡率が48%も高いとの注目すべき調査データを明らかにしている。広島大学の伊東教授は、味噌は体内に入った放射線物質を取り除き、小腸粘膜の障害を早く回復させる作用があると報告している。

東北大学農学部の大久保教授は、味噌の中の成分サポニンが活性酸素を消去し、老化を防ぎ、ガンを予防することを、国立栄養研究所の辻室長は大豆の七つの成分の相乗効果によって、血中のコレステロールを排出し、さらに吸収を阻害してコレステロール値を改善することをそれぞれ報告し、注目を集めている。

EPA、DHAといえば魚の注目された成分だが、魚のそのものが優れた健康・健脳食品である。しかし、魚を焼くとたんぱく質の焼きこげに発ガン物質ができてしまう。ところが味噌汁に含まれるメラノイジンという物質が発ガン物質の作用を防止する。さらに、味噌汁の中に入れたイモ、ワカメなどと大根おろしにも発ガン作用を防止する働きがある。まさに、朝食の一杯の味噌汁は、坊ガンメニューなのである。また、豆腐と鰹節の組み合わせも大切で、豆腐は優れたタンパク食品であるが、メチオニンなどのアミノ酸が不足している。これを補うのがカツオ」節。さらに、薬味の刻みネギに含まれるアミノ酸は、体内でメチオニンに変身する。つまり、大豆、鰹節、そしてネギの組み合わせによって完全なタンパク質となるわけである。   ―142

神農本草経では、山芋を山薬として上品に収録している。そして、「長く食べ続けると寿命が延び、筋肉を強くし、骨をしっかりさせる機能がある」と解説している。ヤマイモ科の多年草でありナガイモ、山薬の肥大した根である。山薬には白血球の抗菌作用を促進し、アレルギーを抑制するほか、潰瘍を治すアラントン、出血を止めるアルギン、消化を助けるアミラーゼなどの消化酵素を含むほか、軽度、中度の糖尿病の喉の渇きを治すため、糖尿病の漢方薬としても用いられてきた。山薬をすりおろすとヌルヌルとして、しかもとろみの状態になる。このヌルヌルはマンナンとアミノ酸が結合したものである。マンナンは水溶性の食物繊維で、腸内でコレステロールや糖質を絡めて吸収を抑制する。                  

黒ゴマのリグナン類緑体には強力な抗酸化性があり、セレンとの相乗作用で活性酸素などのフリーラジカルを抑制し、血管を若返らせ、ガンを予防し、老化を防ぐなどのさまざまな作用が報告されている。黒ゴマの黒い色素が網内系を活性化すると考えられる。黒ゴマには脳を構成するのに必要なリノール酸と、脳の働きを活性化し頭の回転をよくするグルタミン酸、などの含有量が多い。また視力を強化する。聴力を強化する。マグネシウムとカルシウムによる神経安定作用がある。これらの作用が脳を満たし鎮める。また黒ゴマのゴマナリンは、アルコール分解機能を促進し、アセトアルデヒドの分解を促進する。





『ガン細胞が消えた』


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