加藤のメモ的日記
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2011年08月29日(月) 民主代表選

○前原氏の急転出馬は後見役の仙谷官房副長官(65)が後継にもくろんでいた野田氏の支持が広がらないことに慌てて、一年後に控えていた手持ちのエースカードを切ってきた形です。

●前原氏は人気があるといっても自らの取り巻きだけの人気で勘違いをしているのではないか。5か月前に政治と金の問題で外相を辞めた人間がどうして出られるのか。前原氏は外国人献金問題で責任をとったとしているが、自民党の西田参院議員(52)が国会で追及したのは暴力団のフロント企業からの献金疑惑。外国人献金問題はついでに聞いたことで、メーンの暴力団献金は無視され、いまだに解明されていない。芸能人が暴力団にメールを送って、引退に追い込まれるのに政治家の場合は献金を受けていても、総理大臣になれるのか。すごいマフィア国家ですよ。

○島田伸介さん(55)の話は、政治に絡めると枝野官房長官(47)や橋本大阪府知事(42)らテレビ仲間の擁護発言に驚いた。伸介さんは前から暴力団との話はあったわけで、トラブルをヤクザに頼んだ瞬間にアウト。擁護はこれまでの付き合いを自己正当化したいがための詭弁。政治家の質の低さを痛感させられました。

●暴力団からの献金は完全にアウトです。期ズレが問題となっている小沢氏の資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反事件と比べ、どちらが悪質かといえば断然、前原氏。首相になっても持たないのではないか。暴力団フロント企業からの献金やパーティー券購入は前原氏だけでなく、野田氏も同じ構図です。

○大手マスコミは前原氏を大本命と書き立てたが、いつもながら見当外れでしたね。本欄ですでに指摘しましたが、代表選で最大のカギとなる小沢氏は、前原・仙谷両氏を全く信用していない。当初、前原氏が仙谷氏を切り、寄り添ってくれば担ぐ選択肢もあった。ところが自信過剰の前原氏は、前回の代表選と同じ脱小沢路線で対抗する姿勢を見せてしまい、、それならばと小沢氏は対抗馬擁立に動いたわけです。

●乱戦模様だった代表選も小沢氏自らが一本化調整に乗り出し、小沢鋭仁元環境相(57)が引っ込み、海江田氏の擁護を表明しました。

最後までわからない

○これも前から指摘してきたことですが、前原氏が蹴ったときには「野田首相―鹿野幹事長」が小沢氏の有力選択肢になるとみていましたが、乗らなかった。

●野田氏は意外に頑固で融通の利かない性格。小沢氏が党員資格停止処分となった際、菅首相よりも野田氏と仙谷氏が強硬論を先導した過去があるだけに絶対に許すわけがありません。

○仙谷氏からハシゴを外された野田氏が小沢氏に寄り添っていれば、前原グループを孤立させ、仙谷氏の牙を抜けた。党内にはこれまで日の当たるポストを独占してきた前原グループへの反発もありますし、前原氏や枝野氏ら40代の極端な世代交代を嫌うベテラン議員の不満もある。中間派の鹿野氏を幹事長に担げば、小沢支配の批判もかわせたものを。

●海江田氏は原発事故対応に失敗した重大な戦犯の一人なうえに経産相にコントロールされた原発推進派の一人。そんな人間を押す小沢氏はセンスがなさ過ぎる。

○前回の代表選は投票のギリギリまで態度未決定が100票もあり、票読みがむずかしかったが、今回は基礎票で勝る小沢―鳩山陣営が推す海江田氏が圧倒的に有利です。

●小沢氏が支援するといっても海江田氏は党内で信頼があるかというと微妙。鳩山グループも含め、全部が乗っかるかは厳しいのでは。05年の代表選では菅氏が圧勝といわれていたが、投票前の最後の演説で前原氏が自殺した父親の話や母子家庭で育った苦労話で同情を買い、わずか2票差で逆転勝利した。最後まで何があるか分からないのが代表選です。


『九州スポーツ』


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