加藤のメモ的日記
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2011年03月19日(土) 認知症の予防

現代医療では、治る認知症は少ないわけですから、予防するしかないんです。そのためには、認知症になる確率が高まる年齢より、前の段階で、何かをしておくしかない、私は5歳から70歳の間の過ごし方で、その後、ボケるかボケないかが決まると思っています」では白澤氏が進める認知症の予防法を聞こう。

「まず、食事でボケを予防する方法です。野菜や果物のジュースを飲む効果を調べたデータがあります。それによると、週3回以上飲む人は、まったく飲まない人に比べて、アルツハイマーになる確率が76%も下がったというんです。これは野菜や果物に含まれるポリフェノールの効果だと言われています。ポリフェノールは、リンゴ、ブルーベリー、大豆、緑茶、赤ワイン、ターメタリックなどに多く含まれています。またサバやサンマなど青魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)が、アルツハイマーに有効というデータもある。アルツハイマーの患者に出る老人班の面積が40%も減少したのですDHA
は青魚のほかに、マグロやブリにも豊富に含まれています」

さらに、オランダで行われた大規模な疫学調査では、ビタミンEとCの摂取量の多い人は、アルツハイマーの発症率が低いことが確かめられている。「他にも、ラーメン屋脂っこい料理に多く含まれる飽和脂肪酸をたくさんとっていた人ほどアルツハイマーになりやすいというアメリカの調査がありますしカロリー制限をすると、年をとっても脳の萎縮率が低いという実験データもある。これらを参考に、食事を工夫すると、ボケを予防できると思います」(白澤氏)

本誌が実施した、ボケていない80歳以上の60人アンケートでも、多くの人が理にかなった食生活をしていることがわかった。「リンゴを一日一個食べています」(92歳・男性)「よく食べるのは、アジやサバ、大根、ニンジン、ホウレンソウ」(86歳・男性)「納豆、豆腐、生揚げなど大豆食品を食べていますが、とくにおから煮や白和えが大好きです」(82歳・女性)

冒頭で紹介した映画監督の新藤氏も、トマトや生搾りジュース、青魚、豆腐など、ボケ予防になるものを多く摂っていることがわかる。昼食に食べているというソバにも、ポリフェノールがたっぷりだ。続いて、前出、浴風会病院の大友氏が、別の予防法を挙げる。「老化は足からやってきます、例えば大腿の筋肉を構成する筋繊維は、25歳から65歳の間に40%も減る。だから、私は歩いて足を鍛えることを進めています。その最適な方法がウォーキングです」

アメリカで行われた実験では、アルツハイマー患者の脳に溜まるβアミロイドは、ウォーキングなど適度な運動をすると、減るとされている。有酸素運動で脳の働きが活発になり、βアミロイドを分解する酵素も活性化するのだ「足が弱ると外出して人に会うことも少なくなり、脳に対する刺激が減り、ボケにつながりやすくなります。その意味で、ウォーキングはボケ毛予防に必要です、散歩程度で十分だから、電車やバスを降りるのを一つ手前の駅にして、歩く距離を少し増やしましょう。

順天堂大学の白澤教授はこう話す。「東京老人総合研究所の調査データによると、ボケ予防に効果があるのは1位が旅行、2位は料理、3位がパソコンでし
た。囲碁や省義と比べて、旅行は8倍の効果があるという結果になっています。何時の電車に乗って、どういう道順でどこを回るかを、きっちり計画するだけで、脳が活性化するんです。

他にも白澤教授は「手を使うこと」「新聞を声を出して読むこと」「積極的に人に会うこと」「笑うこと」「お洒落をすること」などに予防効果があると言った。たしかに、冒頭で紹介した言語学者・外山氏も「料理は手を使うからいい」と話していた。

加えて松本氏はボケにくい人の特徴としては、「社交的」「気配りができる」「こまめに動く」「好奇心が旺盛」「意欲的」「よく笑う」「服装に気を使う」「異性への関心を失っていない」「頭の切り替えがうまい」などが挙げられる。そうでない人がボケやすいということだろう。

外山氏は、同世代の高齢者と、その予備軍にこうメッセージを送った。「攻撃は最大の防御。認知症になるまいといくら防御していても、なるものはなる。逆にそれを吹っ飛ばすような、思い切った攻めの生き方をすれば、近寄ってこないんじゃないか」100才まで頭キレキレでいるために、何でも「やってやる」という気概を持って、難敵を追い払おう。


『週刊現代』


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