加藤のメモ的日記
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2011年03月04日(金) 八百長は文化?

角界関係者たちは「人情相撲があるのは仕方がない」などと口にしているが、携帯メールのやりとりから20万円で星を売買していたことが明らかになっている。それでも「「八百長が文化」というなら、新聞・テレビは、相撲の勝敗をスポーツとして報道してきたことをどう説明するつもなのか。

「相撲の起源は野見宿禰(のみのすくね)と當麻蹴速(たいまのけはや)の戦いだったと言われています。この戦いでは野見宿禰が相手を蹴り殺してしまったという。つまり相撲の原点は格闘そのものなんです。一場所15日、年間6場所すべてガチンコ(真剣勝負)でやれば怪我をするから無理という意見についても、ではガチンコ横綱と言われた貴乃花(現親方)はどうだったのででょうか。彼は幕内優勝22回、歴代5位の記録を持っています。八百長力士を擁護する発言はガチンコ力士に失礼です。正直者はバカを見て当然とでも言いたげで、違和感を覚えますね。

相撲がスポーツではなく、八百長もある興行であり、神事というなら、芸能面で報じればいい、この際、独占的に大相撲を中継してきたNHKが先頭に立って『スポーツに徹すしべし』と言わなければなりません。公共の電波を使って、受信料の中から一場所4〜5億円ともいわれる放映権料を払って、スポーツでもない興行を流すなら、受信料不払い運動が起きてもおかしくない。

新聞やテレビがやってきたことを検証すべきなのは、相撲協会や特別調査委員会も同様だ。元力士は今回の調査では絶対に八百長の根絶などできないと力説した。「大麻事件の時、相撲協会は抜き打ちで尿検査をしました。これは幕内上位の日本力士が絶対にシロだという確信があったからできたんですよ。八百長を本気でなくすつもりなら、幕内だけでなく、付け人をやるような下位力士まで一斉に携帯を没収して、調査すべきなんです。

特別調査委員会では、八百長を告発すれば、処分を軽減するとか、調査を継続しつつ5月場所を開催するといった声も上がっている。だがそれならば天皇賜杯も総理大臣杯もなくし、客にもプロレスのように筋書きがあることを断った上で開催すればよい。もちろん、協会が狙う公益財団法人の認可など諦め、財団法人の資格も返上するのが筋だ。

一般人と公務員では税金を使っている公務員のほうが厳しく律しなければならないでしょう。同じように相撲協会も公共性を主張するなら、八百長は許されない。税金の優遇やNHKの独占放送など、既得権益を主張しながら、八百長も文化なのでやりますというのは道理が通りません。本誌は相撲をなくせと言っているわけではない。八百長の存在が明らかになった以上、過去を含めて八百長が横行していたことを相撲協会が認め、八百長力士を排除したうえで、出直すべきだと指摘している。



『週刊現代』


加藤  |MAIL