加藤のメモ的日記
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| 2010年12月30日(木) |
ライト・パターソン基地の死体 |
9月1日にシンシナティー市のランケン空港ビル内で開かれた旧軍人パイロットのクラブ集会に出席し、依頼されたUFO問題の抗議を終えた後、参加者25人の元パイロットの一人が近づいてきて、個人的な話がしたいからと彼を会場裏の一室に連れ込んだ。そこには大きな合衆国地形全図がかけられていた。
この情報提供者はいきなり「じつはこの目で、回収されたUFO乗務員の死体を見たことがある」そう切り出すと、地図のアリゾナ州あたりを漠然と指さして続けた。「円盤が落ちたのはだいたいこの辺だ。砂漠地帯のどこかだが、正確な地点は知らない。1953年に間違いない」ストリングフィールドには、この男の表情や態度が誠実、率直、真剣そのもので、決して人を冗談や作り話でからかっているのではないように見えた。以下、男が打ち明けた話を要約するとこのようになる。
「私が”死体”を見たのはライト・パターソン基地でだ。夜間にDC7型機で枠箱が運ばれて来た、ちょうどその時間と場所に居合わせたのだ。そこには格納庫の中で、12フィートほど離れた所から、フォークリフトに乗った5個の枠箱をのぞき見した。枠箱は木造りでいかにも急ごしらえのように見えた。そのうち3つに、4フィートほどの背丈の小さなヒューマノイド(人間型生物)が、敷布の上にむき出しのまま横たわっていた。敷布はその下に詰め込まれたドライアイスで、凍傷ができないようぬするためだった。
木箱のそばには、たくさんの空軍憲兵が黙って番をしたが、私はヒューマノイドの特徴をかなりはっきり盗み見ることができた。頭部は細くて毛がなく、人間に比べて不釣り合いに大きかった。肌色は格納庫の照明のせいか、茶褐色に見えた。目は開いているように見え、口は小さく、鼻はほとんど目につかなかった。両腕は脇腹にそえられていたが、手と足先についてはよくわからない。
どれも体に密着したダークスーツを着ているので、体つきがくっきり浮き出していた。一体だけの胸の筋肉がいやに盛り上がっていて、私には女性のように見えた。あとで兵舎の中で輸送機の乗員の一人と出あったとき訊いたら、やっぱり死体の一つは女らしいとのことだった。
……こうした一連の動きには、当然何か裏がありそうだ。ストリングフィールド自身、何者かが自分の研究をインチキくさく見せかけて、信用の失墜を狙っていうのではないかと疑っているが、それも至極当然である。墜落、回収問題は人類文明にかかわる最重要問題のはずなのに何故か、いやだからこそかもしれないが、この問題の深い追及を恐れて“真実”の隠匿に狂奔している正体不明の強力な組織、いうなれば“闇の機関”が確かに存在する気配が感じられるのだ。
彼らはあらゆる手段を使って、証人たちに裏から脅しをかけ、研究陣の切り崩しをはかり、研究そのものが嘲笑の的になるように仕向けかかっている。そう見ていいのではないか。マッキンタイアという人物はそうした連中の秘密エージェント(手先)で、ウィルヘルムや、ストリングフィールドといったまじめな研究家同士を衝突させ、自滅に追い込もうとしているのかもしれないし、あるいはまた彼自身それと気付かず“闇の機関”に巧みに操られて動く、いわば人形にすぎないのかもしれない。
『米はエイリアンの死体を隠している』
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