加藤のメモ的日記
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| 2010年12月14日(火) |
アスレチックスはスターの墓場 |
エンゼルスからFAとなった松井秀喜外野手(36)について、米メディアは早ければ13日日にもアスレチックスと契約を交わす見込みだと報じた。しかしこのまま入団すれば、アスレチックス軍の本拠地オークランドが”ゴジラ終焉の地”となるかもしれない。アスレチックス軍入りしたスター選手の多くはその後、放出されたり、引退したりと悲惨な末路をたどっており、関係者の間では「スターの墓場」とさえ言われている。中でも心配されるのがアスレチックス軍の剛腕ビリー・ビーンGMとの関係だ。
顕著なのが09年で、超大物外野手ホリディーを筆頭に、08年、不振から復活して大活躍したジオンビー、大スターのガルシアバーラ、メジャー屈指の遊撃手カブレラと、巨大補強を敢行した。しかしふたを開けてみれば、シーズン中にホリディーとカブレラはトレード放出、ジオンビーは解雇、ガルシアパーラは2度故障者リスト入りしてオフに引退…と末路はさんざんでチームは最下位。
ビーンとGMと折り合いが悪かった選手もおり「独裁者気質のためベテランの扱いは下手」と指摘する声もある。この大補強の失敗後にはアスレチックス軍が「スターの墓場」とからかわれることもあった。
アスレチックス軍で不振に陥ったホリディーがカージナルス移籍直後から大活躍したことは皮肉としか言いようがない。今オフにはポスティングシステムでメジャー移籍を目指した楽天・岩隈久志投手(29)との交渉が前代未聞の破談となり、同GMの誠意のない対応が問題視された。
これまでア軍として移籍してきたベテランスラッガーには、ここが選手生命の“終着駅”となっている前例がある。ホワイトソックスでMVPを2度獲得しながら、度重なる故障などが原因で放出された当時38歳のフランク・トーマスは、わずか1年50万ドルで06年にア軍に移籍し大活躍した。その後ブルージェイムスと2年1800万ドルで契約するなど見事にカムバックを果たした。だが、その後もう一度ア軍に移籍した時には結果が出ず引退。同じく、野茂の女房役として有名だったマイク・ピアザも、ア軍のDHで選手生命を終えている。
長くプレーオフ進出から遠ざかっているビーンGMに、地元メディアは厳しい目を向けている。ビーン・GMにとって、松井獲得は眼力がまだ衰えていないことを証明する格好の投資であり、二人は互いのクビをかけた運命共同体ともいえる。ビーン・GMから価値を再発見された36歳の松井が「引退」の二文字を覆す反撃のシーズンを迎えるか、それとも引導を渡されるのか。正念場の一年となる。
九州スポーツ
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