加藤のメモ的日記
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2010年11月19日(金) また暴言

国会の答弁内容をめぐり、批判が相次いでいる仙谷官房長官が18日の参院予算委員会で、今度は「自衛隊は暴力装置」と発言した。自民党に抗議されその場で撤回、謝罪したが、自衛隊員を装置に例えるトンデモ発言だけに、菅首相もさすがに「自衛隊員のプライドを傷つけた」と、お詫びに追い込まれた。発言内容を何度か陳謝している仙谷氏だが、問題発言癖は直らないようだ。この日は仙谷氏や菅氏以外でも、発言をめぐる閣僚の謝罪が続き、目も当てられない質疑だった。

自民党の世耕議員に、公務員と自衛隊の政治的中立について問われた際「自衛隊は暴力装置、ある種の軍事組織だから、特段の政治的な中立性が確保されなければならない」と答えた。この発言の途中から委員会室内がざわめき「暴力装置とは何事だ」と激しいヤジが飛んだ。

仙谷氏は謝罪要求を受け、暴力装置を「実力組織」と言い直し「法律用語として不適当だった。自衛隊の皆さんに謝罪します」と述べた。ただ暴力装置という言葉の響きに加え、自衛隊を「装置」に例える言語センスに、野党の反発はおさまらず午後の委員会では、菅首相が謝罪を求められた。

菅首相は「やや、適切さを欠いた答弁だが、本人が訂正したので良かったのではないか」と人ごと。「やや、とは何だ、ややとは」「謝って済む問題か」とただされ、「暴力装置は好ましくない表現」「武力と暴力とは違う」と述べた。その後ようやく「自衛隊の皆さんのプライドを傷つけ、私からもお詫び申し上げます」と謝罪した。

中国漁船衝突事件をめぐり、国防のあり方が問われている中での仙谷氏の問題発言。自民党の谷垣総裁は「命がけで国土を守る自衛官への冒瀆だ」と批判した。同党の小泉衆議院議員は「本当にひどい発言だ」とした上で、発言の前段となった防衛省の通達に触れて「もし、外部団体が呼ばれないことになれば、これからは私が自衛隊の式典に呼ばれた時、思いをくんで、民主党の批判をやっていかないといけない」と宣戦布告した。

仙谷は今国会で問題発言が相次ぎ、衆参両議院で謝罪に追い込まれている。それでも直らない問題発言。自民党は仙谷氏への参院での問責決議案を提出する方針だ。

一体まともな閣僚はこの内閣にはいないのか。とにかく舌禍事件が多いし閣僚発言の撤回が多い。政権は安部内閣の末期にも似た様相だ。そして法相の国会軽視発言で菅内閣が追い込まれている。14日、広島での法相就任を祝う会での柳田法相の発言。「法相とはいいですね。二つ覚えておけばいいんですから。『個別の事案についてはお答えを差し控えます』と『法と証拠に基づいて、適切にやっております』。使うたびに野党からは責められて、政治家としての答えじゃないとさんざん怒られています」

今、法相がどんな立場に置かれているか理解していれば、こんな軽口は叩けないはずだ。「元党代表・小沢一郎と検察審査会の問題。検察のあり方も問われている、加えて海保保安官の扱い。裁判人裁判の死刑求刑問題も省内ではさまざまな検討事項があるはずだ。また、中国の温家宝首相との対談では、菅首相は官僚の書いたメモを棒読みで質問した。一国の首相が自分の言葉をもたないとは、国民は情けなさすぎる。菅首相は市川房江氏の運動員だった。つまり”籠を担ぐ人”なのだろう。

……

蓮舫行政刷新担当相は参院予算委員会で、国会内でのファッション誌撮影問題で、「参院事務局から、議員活動のためにと申請するよう示唆された」としていた発言を撤回し、「示唆はございませんでした」と初めて認めて謝罪した。元祖必殺仕分け人とは思えない、か細い声だった。

撮影を許可した経緯をめぐり参院事務局との間で見解が食い違っていたが、蓮舫氏はこれまで
「示唆された」発言の正当性について、曖昧に答弁していた。赤いスーツに身を包んだ自民党の丸川珠代議員に「事務局という弱い立場の人に責任をなすりつける発言で、人間性を疑う」と非難された。白ジャケットを着た蓮舫氏との「紅白対決」は、丸川氏に軍配が上がった。


『日刊スポーツ』


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