加藤のメモ的日記
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2010年10月29日(金) 夜逃げ、失踪は地獄への近道

借金を逃れるために、昔から、「夜逃げ」をするということが一つの手段としてあった。しかし、法律上いかに夜逃げをしようと借金をまぬがれることなどできない。サラ金業者など厳しく取り立てるところほど、どんな手段を使ってでも夜逃げをした債務者の居場所を探し出そうと、どこまでも追いかけてくる。

たとえ身内にも連絡を取らず、また住民登録をそのままにしておいたとしても、おいそれと逃げ切れるものではない。世間に流布されている貸し主から5年間逃げ切れれば、時効が成立して借金がなくなるという話は間違いである。例えば貸し主が何もしないとすれば5年間で時効は成立するが、一般的にサラ金業者などは、借り主の行方が分からないからといって黙って放っておくことなどはない。

時効が成立する前に裁判などによって時効を中断するのが普通である。こうなると、その中断の時から10年間は時効にならない。その間に居場所がわかってしまうと、再び厳しい取り立てが始まる。つまり夜逃げや失踪では何の解決にもならない。どんなに多額の借金を抱えていても、自己破産申し立てをして免責決定を受ければ、だれでもが多重債務から解放される。
 
 夜逃げをしても支払い債務はついてくる

借金苦による夜逃げは、十数万人に及ぶだろうといわれている。多重債務者が夜逃げをすると、住民票の移動がないかサラ金やクレジット会社が常に監視しているので、夜逃げをしても住民票を移動できないでいることが多いようだ。役所には債務者の借用書を出せば、債務者の住民票はとることができる。なかには、サラ金の追及を恐れ、偽名で逃亡生活を続けている人も少なくない。

前島、巌さん(仮名・49才)は、サラ金からの厳しい督促にたまりかねて夜逃げをした。「どうせ一人者なんだから、かまいはしない」そう考えて大阪から東京に逃げた。仕事はフリーターのようなことを転々としていたが、そのうち恋人もでき、まともな就職がしたくて住民票を移動した。そうするとすぐさまサラ金からの取り立てが始まった。

住民票を移動させなければ、ちゃんとした仕事に就くことは困難である。又健康保険に入ることもできないので、病気になれば治療費は全額自己負担になる。小学校や中学校の子供がいる場合は、義務教育だから学校に行けないということはないが、正式入学ができず仮入学ということになる。もちろん選挙権の行使もできない。

前島さんも、今度は腹を決め自己破産しようと相談に来たのだが、どんなに多額の借金を抱えていても、自己破産をして免責決定さえ受ければ、多重債務から解放される。多重債務を抱えて行き詰っているのなら、弁護士や弁護士会などの相談窓口に相談に行って、自己破産の手続きをとるべきである。

たかが借金ぐらいで自殺や夜逃げをしてはならない。現在のサラ金は、いかに夜逃げをしてもあらゆる手段で居場所を探出し、どこまでも追及してくる。また、法律的にも、夜逃げをしても借金の支払い義務をまぬがれるわけではない。


『借金地獄脱出マニュアル』

結局、同じ貸金業でも融資の時に担保をとる銀行と、担保なしで貸すサラ金の違いである。担保をとらないからこそどこまでも探し出そうとする。


加藤  |MAIL