加藤のメモ的日記
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2010年10月11日(月) 『腐れ銀行』は市場から放り出せ

日本は今『史上稀にみる超低金利』時代にある。公定歩合は、なんと0.5%。銀行の預金金利はわずかに0.1%。仮に1万円を預金しても1年後の利子は10円玉1個だ。これから税金を引かれて8円。今や日本は『金利のない国』といってもよい。なぜこんな不思議なことが起きているのか。大蔵・日銀などは長引く不況のためだとか何とか言っているが、ズバリ「銀行救済」のためである。早い話が預金者を犠牲にして年間8兆円近く金融機関に補助金を出してきたのである。

日本経済は今、景気低迷が長引き、株価は下落し企業倒産も続発するなど明るい話題は一つもない、お先真っ暗である。こうなった最大の要因は、バブル時代『浮利』に走り、巨額な不良債権を抱えたままの銀行の経営問題にある。ここまで揺らいだ日本の金融システムの信頼性を回復するには思い切ったリストラを行い、システムに巣食う不良債権を抜本的に除去するしかない。思い切った外科手術が必要なのだ。

ところが、バブルがはじけて10年近くなるというのに銀行は何をやってきたのか。相変わらずの殿様商売、行員の賃金水準は一般企業よりも高く、おざなりのリストラ策しか実行していない。80、90歳にもなる相談役がのさばり、役員の退職金は1兆円超。全く自浄能力はないと断言してもよい。預金者にろくに金利を払わないくせに近頃は貸し渋りとやらをしている。

カネを集めその金を貸すのが銀行の商売かと思っていたが、どうも違うらしい。これは銀行業の自己否定であり、今や銀行には一片の公共性、公益性も見られない。こんなふざけた銀行に公的資金を投入するというのだ。その額なんと60兆円。日本の軍事費ですら年間5兆円である。また約6000億円の公的資金投入で大騒ぎをした住専の100倍である。これで暴動が起きないとは日本国民もナメられたものである。

そもそも我々一般庶民よりはるかに高給取りの銀行員になぜ不況に苦しむ国民の血税を投入しなければならないのか?もし公的資金を投入するなら、役員の報酬カットや旧経営陣の退職金返還などでは済まない。銀行員の給料を生活保護世帯並みにするなど自ら血を流してからにしてもらわなければなるまい。

現在日本には銀行の看板を掲げているところが、都市銀行、信託銀行、地方銀行、第二地方銀行など約150近くある。はっきり言って多いのだ。このほか信金・信組・郵便局などがある。半分に減ったところで、国民生活に支障はない。もっときっぱり言えば、ロクでもない銀行、腐った銀行は早くつぶれたもらい、市場から退場してもらいたいのだ。

『腐ったリンゴ』を放置しておくと、良いリンゴまでダメになるのと同様に、『腐った銀行』をこのまま生きながらえさせていると、他のまあまあの銀行をダメにし、しいては日本経済そのものをダメにしてしまう。政府、自民党や大蔵当局は、何とか軟着陸をしようと画策しているが、悪あがきはやめにしたほうがよい。そんなことをしたら公的資金60兆円では間に合わず、100兆円、150兆円と底なし沼に陥るだけだ。

それでは市場がもはやソフトランディングを認めない、ここでもう一度確認しよう。従来の大蔵省の護送船団行政はもう通じないということを、そして市場に答えられない銀行は、当局がいかに支援しても生き残ることはできないということを。

さてそこで振り返ってみると、果たして日本は健全な銀行が何行あるというのだろうか。国民の血税(公的資金)におすがりしようというのに、日本の銀行はあいもかわらぬ秘密主義だ。情報をろくに開示せず隠したままだ。そのもっともな例が不良債権額である。公表された各銀行の不良債権額は、情報操作されており、今日に至っても正確な数字がわからない。

ともかくかなり怪しい数字ではあるが、公表された数字を参考に、諸先進国の銀行と比較すると、日本は絶対大丈夫と太鼓判を押せる銀行は残念ながら一行もない。「健全」と評される銀行が明日破たんしても少しも不思議ではないほど、銀行業界全体のレベルは、国際水準からみれば悪いのだ。



『危ない銀行おっかけマップ』


加藤  |MAIL