加藤のメモ的日記
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2010年10月08日(金) 裁判長期化が死を招く

…しかし、小沢氏は最近こうも語っている。「9月の代表選で、逃げないと言ったからには、逃げない」離党を否定しているのだ。そもそも小沢氏は幹事長時代に、元秘書の石川知裕議員が逮捕・起訴されると離党させている。元秘書は離党しても、自分はしないというわけだ。刑事被告人となる小沢氏は、少なくとも1年間は裁判に全力を注ぎこまなければならなくなる。

恩師・田中角栄は被告人となりながらも、「闇将軍」として君臨した。しかし、今は時代が違う。被告人席に立つ小沢氏を待ち受けるのは、疑惑への厳しい追及だ。前出の森功氏が指摘したように、土地購入費の4億円の原資にはゼネコンからの裏金が含まれている可能性がある。また、小沢氏の急所となるのが、土地の購入の際に偽装と判明した銀行融資だ。

銀行融資は土地代金支払い後に受けており、購入代金には当てられていなかったことが発覚している。加えて土地が陸山会の財産である旨の確認書の日付を偽装したことも、検察の議決書では容疑の「傍証」として挙げられている。ジャーナリストの松田賢弥也氏が説明する。

「そもそも検察が扱っている4億円の事件は、疑惑の氷山の一角です。本来ならこの土地問題だけに矮小化されるべきではない。捜査で押収されたフロッピーデスクには、ゼネコンの名前や6億円の裏献金まで登場している。また、西松建設事件で逮捕された大久保隆規元秘書の初公判では、水谷建設からの1億円の裏献金以外にも、鹿島を仕切り役とする談合組織の存在や、小沢氏の「天の声」、毎年各社が支払っていた多額の献金が明らかになっている。他にも政党解体後の政党交付金の行方、家族名義の資産など、国民から見れば黒い霧に包まれたままです」

3人の元秘書は、9月24日の公判前整理手続きで無罪を主張すると表明した。検察と全面対決することとなり、公判の長期化は避けられない。小沢氏の裁判は、元秘書との公判とは別に、今後、裁判所が検察官役を果たす弁護士を選任することから始められる。

当然のことながら、元秘書の裁判内容が小沢氏の公判にも影響を与えることとなる。つまり、小沢氏が「刑事被告人」である期間は予想以上に長くなることもありうるのだ。それが長期化すればするほど、小沢氏の政治生命の火は消えていくばかりなのである。


『週刊文春』

小沢氏は故田中角栄元首相の秘蔵っ子といわれた。師である角栄は資源外交を展開しヨーロッパ、ソ連、ニュージーランド、インドネシアなどの石油、天然ガス、ウラン資源などの確保に尽力した。又、中国と日中共同声明を結んだ。しかしこれらが国際石油資本を中心とするアメリカの資源の傘と衝突し、ロッキード事件に巻き込まれた遠因であるといわれている。対する小沢氏は、4億円をちょろまかしたことで政治生命を絶たれようとしている。両者の差は月とスッポン。

●月とスッポンとは、江戸時代後期の随筆『嬉遊笑覧』には、スッポンの甲羅が丸いことから異名を(まる)と言い、一方満月も丸いけど二つの丸は大違いで、まるで比較にならないので「月とスッポン」とは少しは似ていても、実際には甚だ異なっている様を云うとしている。


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