加藤のメモ的日記
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中国は建国以来、50年足らずの期間に、10数回の戦争を行なっている。1950年代の朝鮮戦争、台湾海峡での2回にわたる国民党軍との戦争。チベット動乱の鎮圧、60年代に中印国境紛争、中ソ国境紛争、70年代の南シナ海の西沙諸島でのベトナムとの戦争、中越戦争。80年代に南シナ海の南沙諸島でのベトナムとの戦争、天安門事件である。
それらのうち、天安門での民主化運動鎮圧を除いてあとの全ては中国の主権、領土、あるいは国境線という国家の安全保障に関するものである。また、50年代、60年代において紛争は主として陸地境界線をめぐるものだったが、1970年代以降は海上の境界線に関するものになっている。
だが、幾多の戦争にもかかわらず、中国が帝国列強によって奪われたとする領土のうち現在まで取り戻した領土は、台湾正面の江山島、大陳島などのいくつかの島、そして南シナ海の西沙諸島全島と南沙諸島のいくつかのサンゴ礁、および1997年に返還された香港、99年返還のマカオなどであり、中国の国境線は19世紀末とほとんど変わっていない。
その半面、中国の海洋進出の現状はすさまじく、このままでいくと南シナ海、東シナ海は「中国の海」となるのも時間の問題である。南シナ海と東シナ海が中国に抑えられると、台湾はその生存空間をを失い中国に呑みこまれることになるだろう。そして次には日本の領土である、先島諸島や沖縄諸島などの南西諸島、そればかりか朝鮮半島も呑みこまれていくことになるだろう。
中華帝国史上最大の版図への回復は、徐々に進んでいるのである。中国は10億の国民全体にパイを配分し、平等を目指す国ではないということにまず気がつかなければならない。中国には読み書きのできない人がいまだに人口の3分の1近くいるというような諸々の現実は、中国の貧しさではなくパイの配分、国家戦略として切り捨てた部分と考えるべきだろう。
『中国は日本を併合する』
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