加藤のメモ的日記
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2010年08月30日(月) 中国の最終兵器

中国が「日本の国難」であるといった理由は先にあげた軍事、経済面に限らない。むしろ、一般の国民の心配としてはこちらの問題のほうが深刻かもしれない。中国が援助と引き換えに日本にくれた「三つ目のプレゼント=犯罪者」だ。2000年4月に発表された警察庁の調査では、1999年に摘発された外国人犯罪は34.4398件(前年比8.2%増)89年からの10年間でその数字は実に6倍となっている。

そして摘発者数13.436人のうち約4割の5.352人が中国人。また、2000年12月に東京・葛飾で起きた猟銃強奪事件に代表されるように、強盗・殺人などの凶悪犯罪化が指摘されている。同年末には警視庁がピッキング窃盗対策として「中国人かな、と思ったら110番」「中国語で話しているのを見かけたら110番」と書いたビラを東京都内の各所に配布したほどだ。後に表記に問題があったとして回収されたが。また新宿の歌舞伎町などでは入り口に堂々と「中国人お断り」と掲げている店も少なくない。

もちろんこれは善良な中国人も含めたすべての中国人を悪者扱いしているのであり、間違った方法である。だが、同時にこれほどまでに中国人の犯罪が深刻な社会問題となっていることも事実なのだ。ならば外務省なり警察庁は中国大使館にはっきりと言うべきではないのか。「これほどまでに日本では中国人に対する感情が悪くなっている。これでは全部の中国人が悪者になってしまう。下手をすれば中国人狩りが起きかねない。あなた方はこの現状を本国に伝えてほしい」と。ただ「こんなビラを作って申し訳ない」と謝るだけでは何の解決にもならない。

ある北京の要人が私に言ったことがある。「密航を抑えるのは簡単です。人民日報と中国電視台を通じて”不法出国、密航には厳罰を処す”と警告する。三日間も続ければ十分効果が出ますよ」と。しかし中国政府はそれをしようとはしない。

そもそも、中国政府が密航を半ば公然と認めているような状態問題なのである。2000年6月、英国ドーバー港で中国人グループが冷凍トラックに隠れて密入国しようとし、その結果58人が死亡するという事件が起きた。これは中国の密航組織「蛇頭」の手引きによるものであることが後に判明したが、中国政府はこの事件解明に手を貸すどころか、世界に謝罪することさえしなかった。

かって私が中国で取材した際、私が「もうおたくの国に援助する必要はない」と言ったところ、外交部門の幹部は悪びれずこう言い放った。「では、我が国がどうなってもいいんですね。大量の難民が出ますよ。それは3000万かもしれないし3億かもしれない。それが最初に向かうのはあなたの国ですよ」開き直りとしか言いようがないが、これはあり得ない話ではない。いわば、中国の”リーサル・ウェポン(最終兵器)”は、駆逐艦でも空母でもミサイルでもない。人間そのもの、”人間爆弾”なのである。


…日本には小渕父娘の「議席継承」ひとつとってみても批判できる政治家はいない。何しろ、野党の党首である鳩山由紀夫や小沢一郎自身が代表的二世議員なのだから、それこそジョーク以外の何ものでもない。この体質そのものが、日本の民主主義のレベルの低さを象徴しているといってもいいだろう。もちろんアメリカにもに二世政治家がいないわけではない。現に2000年の大統領選を戦ったアル・ゴアもジョージ・W・ブッシュも二世政治家だ。

だが、日本の二世議員とアメリカの二世政治家には決定的な違いがある。例えばゴアは父親が引退してからすぐに政治家になったわけではなく、ジャーナリストを長くやり、その世界で一流となってから政治の世界に打って出た。彼は現在のアメリカの政治家では有数のディペート能力の持ち主だが、それはジャーンリスト時代に培った財産であり、それを政治家としての武器にしている。

一方のW・ブッシュも父親のブッシュ元大統領の”遺産”を利用している部分はあるものの、ビジネス界で成功し、テキサス州知事を務めたというキャリアを持っている。ところが日本の二世議員の典型的なパターンといえば、大学を出た後、親の”個人秘書”という便利な肩書を経て、議員になるという者ばかり。

一般社会で働いたこともなければ、あったとしても親のコネで入った会社に数年在籍しただけだというパターンがほとんどである。一般社会で誇れるようなキャリアを持っている政治家など、皆無といってもいい。日本の二世議員の多くは、よくこんなことをいう。「自分は小さい時から父親の姿を見てきた。だから、誰よりも政治の仕事をわかっている」と。

たしかにその通りだろう。だが、問題はその「父親」が何をしていたかだ。政治的駆け引き、裏工作、資金集め、金の飛び交う選挙戦…。彼らの言わんとする「政治家の仕事」とはせいぜいこのようなものにすぎない。日本の将来のビジョン、国民の安全保持、外交のあり方などといったものを見てきたわけではない。第一やっていないのだから見ようがない。

政治家の汚い部分ばかり見てきた二世が政治家になれば、汚い二世議員になることは火を見るより明らかだ。ところが、それでも簡単に二世議員は当選する。先に上げた小渕の後援者のように、二世議員を大歓迎している連中までいる。それが続く限り、国民は政治家にバカにされ続けるだけで、政治が変わることはないと断言できる。



『変わろうとしない…』


加藤  |MAIL