加藤のメモ的日記
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| 2010年06月18日(金) |
「ハーツ・アンド・マインズ」「ウィンター・ソルジャー」 |
ベトナム戦争の真実に迫るドキュメンタリー映画が二本上映される。どちらも1970年代前半に製作された映画だが、日本での劇場公開は初めてである。一本は「ハーツ・アンド・マインズ」(ピーター・ディビス監督)75年のアカデミー賞最優秀賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞し、「地獄の黙示録」や「プラトーン」などのベトナム戦争映画に影響を与えた。
もう一本の「ウィンター。・ソルジャー」は、71年に開かれた公聴会でのベトナム帰還兵の証言を記録したものである。ベトナム戦争は、アメリカが南ベトナムの傀儡政権を維持するために軍隊を派遣して、南ベトナムの解放勢力と北ベトナムを攻撃した侵略戦争で、73年には米軍は撤退を余儀なくされて南北ベトナムは統一された。
「ハーツ・アンド・マインズ」ではこうした経過が証言やニュース映像で続けられる。息子の棺が入れられた墓穴に自分も入ろうとする母親の姿や、ナパーム弾で火傷を負った子供、道端で処刑されるベトナム人などの映像が衝撃的である。米兵のインタビューでは、ベトナム人を人間とは思わず、爆撃を「楽しい」と感じたり、無抵抗の女性や子供を殺したことを平然と語る兵士もいる。象徴的なのは、ウェストモーランド米派遣司令官が言い放った「東洋人の命は西洋人の命よりも軽い。人口の点でも、哲学的にも」という言葉である。
「ウィンター・ソルジャー」での証言は、女性をレイプしたり、子供に石を投げて殺したり、という様々な残虐行為、ベトナム人であれば女性や子供の死体でも戦火として報告すると異常さ。救われるのは、彼らが自分たちの行為を悔悟し、決断をして証言台に上がっていることである。これらの映画を見て一番強く感じたのは、人間がここまで残虐になれるかということである。しかし、爆撃や銃殺、証言する兵士たちはいずれも映像で残されている動かせない真実の姿である。映像だからこそ、戦争の真実を暴くことができたのである。
もう一つ思ったのはこの映画に出てくる兵士たちは沖縄の米軍基地から出動して残虐な行為を行なっていたということである。イラクやアフガンで同様のことを繰り返している米軍がいかに危険な存在か、この映画は教えている。
「ばん たけし・映画評論家」
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