加藤のメモ的日記
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2010年03月21日(日) 精神障害者を孤立させるな

犯罪白書によると、殺人事件のうち12%が精神障害者が占めている。いきなりグサリとやられるケースが、かなりあるということだ。ただし精神障害で刑法犯罪を犯した者は1648名でしかない。精神障害者数は厚生省の推計で160万人といわれるから一部の通り魔的犯罪が喧伝されるおかげで、大多数の必死で病気と闘っている人々が誤解を受けていることも忘れてはならない。

4年前に精神衛生法が改定され、障害者の人権を重視した精神保健法が施工されたのは、解放治療が時代の趨勢になったからである。精神病患者の人権を擁護せよ、との主張も理解できる。確かに一部のひどい精神病院の実体が暴露されたこともあった。

だが、解放治療によって不意に殺人事件に巻き込まれる可能性が減じたわけではない。殺される側の人権は無視されたままだ。退院後のアフターケアもシステムが作られないのは不可解である。精神障害者を孤立させずにきちんと社会が受け入れ、退院後の住居や仕事の保証をする素地ができていれば、事件はかなり未然に防げると思うのだが。



『ニュースの考古学』猪瀬直樹


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