加藤のメモ的日記
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肺がんの転移が見られるなど手術ができない場合は、抗がん剤治療や放射線治療となるが、抗がん剤については、今のところ延命が主な目的となる。「抗がん剤治療を開始してからの生存期間は、平均で14〜18か月というデータがありますから、かなり厳しいといっていいでしょう。有効な抗がん剤が出てくることを期待しているのですが、これは副作用などの関係からなかなか厳しい状況です。
最近「イレッサ」という抗がん剤が話題になりましたが、イレッサは非小細胞に用い、女性やや非喫煙者によく効きます。放射線治療も一時的にはよくなっても、再発の可能性が高い。都内在住A氏(40代男性)は会社の健康診断で右肺の上部に大きな影が見つかった。専門医の診察を受けると、やはり肺がんで「ステージ4」と診断された。非小細胞ガンではあったが、すでにガン細胞は大きく転移もあるので手術はできない。この時点で余命1年と宣告された。
「その前年の健康診断では、まったく異常はなかったんですよ。タバコも吸っておらず、それだけにショックでした」(A氏)だが週1回の点滴による抗がん剤治療を開始したところ、ガンが小さくなっていった。そのまま数年が経過したが、あるとき脳への転移が見つかった。A氏は驚いたが、これはガンマナイフと呼ばれる治療により事なきを得た。
その後肺がん治療に戻り、今年でがん宣告から7年になる。「今も週に1回、外来で点滴を受けながら仕事を続けています。ガンは小さいのですが、消えてはいません。でも、、余命1年と言われた人間がこうして元気に働いています」こうしたケースがあるとはいえ、がんは早期発見にこしたことはない。
ただし非小細胞ガンは、線がんや扁平上皮がんなどにいくつかの種類に分かれていることにも注意が必要だ。「線がんは肺の端に多いので咳や出血といった症状が出にくい。線がんで症状が出たら手術は難しいことが多い。ところが喫煙者に多い扁平上皮ガンは肺の入口付近に近いので、早期であっても症状出ることが多い。その場合、手術で治療できる可能性が大いにあります」(森川教授)
だがこの早期発見にこだわるあまり、自分が深刻な肺がんだと思い悩むケースが増えているという。森川教授はこう語る。「近年、肺がんには新しい種類のものが見つかっているんです。これはスリガラス様陰影」と呼ばれています。これは確かにガン細胞なのですが、10年、20年たっても進行しないものも大部分で、本質的には”がん未発達の病気”というものです。手術をせずにひとまず経過を観察していけばいいのですが、”がん”という名前にパニックになる人が少なくありません」
スリガラス様陰影はレントゲンには写らないが、最新の「ヘリカルCT」だと捉えてしまうゆえの”悲劇”だ。とはいえ、「治る肺がん」をみつけるためには、CTを含めた検査を受けるしかない。「喫煙者の方で、血痰が出た人は気管支鏡検査を受けたほうがいいでしょう。
「自覚症状がなく、CTで見つかるレベルの肺がんの多くは手術で治すことができ、しかもその多くは体に負担の少ない内視鏡手術で治すことができるようになっています。ただしスリガラス用陰影は冷静になって専門医に相談してください」(森川教授)肺がんの「治る」「治らない」の分かれ目は、まず正しい知識を持つことなのだ。
『週刊現代』
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