加藤のメモ的日記
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| 2009年04月24日(金) |
生卵の常温販売は日本だけ |
次に川岸氏が向かったのが生卵のコーナー。さまざまな種類のパックが、木製の棚の上に所狭しと積まれていた。「これなんか冷蔵すらされていないでしょう。常温販売ですよね。日本ではこれが普通と思われているけど、世界では非常識ですよ。私はアメリカやメキシコ、アジア各国のスーパーも視察しましたが、生卵を常温販売しているスーパーはありませんでした。アメリカではFDA(米食品医薬品局)が冷蔵販売を義務付けています。サルモネラ菌の繁殖とか、怖いのにね」
そういって川岸氏は「ハンフリーの法則」について説明し始めた。これは生卵を管理する温度と、サルモネラ菌の増殖レベルまで達するのにかかる日数との相関関係を示したもので、一般的に15度なら5週間、25度なら2週間が目安とされている。ちなみにこの日、店内の温度は15度。まず大丈夫と思われたが、「気温が36度なら1日で増殖レベルにっ達するといわれています。生卵を出荷する過程で運送業者が一時的に屋外に置いてしまうことはよくあることで、これからの季節は気をつけたほうがいい」
卵の場合、消費期限に加え「採卵日」まで明示されていれば消費者はより安心だが、川岸氏によれば「そこまで徹底しているスーパーは、大手の一部を除いてまだまだ少ない」という。A店では他にも、川岸氏が顔をしかめる”現場”があった。青いプラスチック製の箱に氷水が詰められ、サンマやイワシがキンキンに冷やされた状態で販売されている光景は、スーパーの鮮魚コーナーではお馴染みだ。が、A店の場合、氷がほとんど解けてしまい、ただ水に浸かっているだけの状態でホタテが販売されていた。
「本日限定」「特売品」「赤字覚悟」など等、派手なポップ広告が並ぶ一方で、商品の温度管理が満足に行われていない店は想像以上に多いという。
『週刊ポスト』 4月15日号
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