加藤のメモ的日記
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| 2009年02月09日(月) |
淡色野菜からの重大発見 |
野菜がガンを抑制するということについては、主として緑黄色野菜がビタミンやカロチンを持っているという側面ばかりが強調されるようだが、もう一つ、野菜が白血球活性化物質によって白血球の働きを活性化し、それによってガンを抑制しているという側面にも目を向けてほしいのだ。ガンだけに限らず他のさまざまな成人病にも、予防に対して効果を発揮しえるということである。
ここで、淡色野菜→白血球を活性化する→ガンなどの成人病を予防できる、という図式ができあがる。これこそが本書の一大テーマでである。だから淡色野菜を多く食べなさいということになる。淡色野菜とはキャベツ、ナス、大根、たまねぎ、キュウリなどをいう。ただ、緑黄色野菜をないがしろにしているわけではない、淡色野菜は緑黄色野菜に比べると、やや日陰者的存在であったのだが、そこに日の光を当てたいというのが私の意図である。
淡色野菜については、いまや医学、薬学の世界で大いに脚光を浴びているところであり、ガン防止効果も認められている。しかもガンのみならず、動脈硬化や糖尿病などの多くの成人病にも及ぶ。万病に効く薬こそ淡色野菜なのである。毎日野菜を食べていない人のガンにかかる危険率を一とした場合、毎日野菜を食べている人のがんにかかる危険率は0.784となる。毎日野菜を食べていれば100人中、20人はガンにかからないということである。ちなみに多くの漢方薬の約8割には生姜が入っているということである。
白血球は大きく分けると、リンパ球とマクロファージ(大食細胞)からなっている。このうちマクロファージが、脂質やコレステロールの代謝に大きな働きをしていることがわかった。このマクロファージという白血球を刺激して活性化してやれば、脂質の代謝が盛んになり、動脈硬化になりにくくなると考えられる。白血球が発見されたのは、100年ぐらい前のことだから、歴史はまだ新しい。それだけまだまだ研究すべき点も多く残されているということだが、とりわけここ10年ほどの間の研究成果には目覚しいものがある。
白血球が生み出すサイトカイン(人間の身体のさまざまな生理機能を活性化する物質)には、TNFというものがある。これはガンなどの腫瘍を殺す物質ということである。マクロファージがガンなどの腫瘍を殺すときには、このTNFが必ず出現してくる。
TNFはガン細胞を殺すだけではなく、正常な細胞に働いてさまざまな調節作用をしていることもわかっている。TNFが体の中で正常につくりだされていれば、健康であるということである。そこでTNFが順調に作り出されるためにはどういう条件が必要なのかというと、野菜、果物、海藻の摂取である。
例えばキャベツ、ナス、大根などの淡色野菜がマウスの実験においては、TNFを非常に多く生み出したのである。果物でいえばバナナ、スイカ、パイナップルが、それと海藻類である。薬として使われているインターフェロンと同程度かそれ以上というからすごい。淡色野菜がいかに重要な存在かがわかる。
キャベツ、ナス、ダイコンなどの淡色野菜は白血球の働きを強める作用を持っている。一方、シソや生姜は、白血球が過剰に活性化しているときに抑制する働きを持っている。いずれにしてもこれらの野菜を食べることで、あらゆる病気の予防が可能になる。ガンをはじめとするさまざまな成人病を予防することができる。野菜、中でも淡色野菜こそがその鍵を握っている。
『大病をしない免疫体質をつくる本』山崎正利 薬学博士
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