加藤のメモ的日記
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2009年02月04日(水) ガンのワクチンが誕生した

今日、テレビで九州の久留米大学の「先端ガン医療研究センター」で世界が注目する夢のガンワクチンが開発された、という報道があった。これはペプチドワクチン療法といい、理論的には初期のガンから末期がんまですべてに使えるというものである。ワクチンを注射するだけである。今後は近くの診療所でも投与可能であるとのことだ。約40種類のワクチンの中から、その人に合ったワクチンを投与する方法である。理論的には全てのガンに適用できる。副作用はない。

このワクチンは、免疫細胞を活性化させそれがガン細胞を殺す免疫療法である。この大学ではリンパ球がなぜガンを認識できるかという研究が行われた。その結果ガン細胞のまわりにある、ガンペプチドというタンパク質のかけらを、リンパ球が目印にして攻撃しているということを突き止めたのである。このガンペプチドを目印にして攻撃するためのワクチンを注射し、免疫細胞・リンパ球の司令塔である樹状細胞に指令を与え、リンパ球にガンペプチドを認識させる。活性化されたリンパ球は増殖を続け、ガン細胞を見つけて攻撃するという治療法である。

今までは、全てのガン細胞の特質が異なるため一つの治療法でガンを完治させることは難しかった。しかしこれから将来的にはガンを撲滅することができるかもしれないということだ。ペプチドワクチンは何種類もあり、四種類のワクチンを組み合わせる。皮下注射一本で入院しなくてよい。免疫力がアップするので、元気になる。

しかし、従来の手術や、放射線や抗がん剤などの化学療法で治るものはそれで治療し、それでも治らない場合の第四の治療法という位置づけが久留米大学の方針である。マスコミの報道で問い合わせが殺到しており、一日二万件の問い合わせがあったという。それで今は受付はストップしている。

今年の四月から久留米大学の「ガンワクチン外来」でこの治療を始める。費用は厚生労働省に認められた薬ではないので、自由診療のため保険は適用できない。週一回の注射を六週間継続し、六週間後に免疫の応答を評価するということだ。六回投与コースで50万円前後である。事前予約は受け付けていない。四月から久留米大学のホームページなどで連絡先を公開するとのことだ。


加藤  |MAIL