加藤のメモ的日記
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| 2009年01月18日(日) |
歴史は勝者によって作られる |
歴史は虹である。近世500年の歴史を大空にかかる虹の橋と見立てると、白人陰謀の歴史がその彼方に鮮やかに映し出されてくる。その上に浮かぶ日本の存在と、独り迎え撃つ日露や大東亜戦争の世界史的意義が鮮明にわかる。
明治以来、日本は欧米を文明先進国と崇め、世界史とは西洋史のこと、西洋からのみ見た世界史のことで、非白人を歴史の表舞台に登場させることはなかった。そのため近代西欧の繁栄を支えた植民地支配の暗黒面を見落としてきた。
コロンブスの米大陸到着は、侵略の始まりで、白人は「鉄砲と十字架」を手に、残虐非道な手段で全地球をその支配下に収めてしまった。彼らは、白人以外は人間として認めていなかった。だから新大陸の先住民インディアンら一億人を、簡単に抹殺できた。
インディアンは、日本人と先祖を同じくするモンゴロイドだ。さらにアフリカからの一億人もの奴隷狩り、奴隷貿易、奴隷酷使が続く。本書は白人の残虐性、侵略性の根源は何か、そして19世紀までアジアのほとんどの民族が白人の植民地に組み込まれた由来を解明する。
20世紀になって白人の支配に従わぬ唯一の国・日本を、北からソ連、西からイギリス、東からアメリカが一挙に襲いかかったのが大東亜戦争である。白人の手口はコロンブス以来のもので原爆投下、113都市無差別焼土作戦、ソ連の満州侵略の暴虐と、民族抹殺のホロコーストのやり方は、500年変わらず一貫していた。
東京裁判は負けた日本に、白人500年の侵略と残虐、植民地支配の罪をすべて転嫁するための大芝居であった。この結果、日本人は何もかも日本が悪いと戦争犯罪意識を骨の髄まで刷り込まれたために、反省自責の自虐史観にこだわり、敵側の陰謀の世界史を目隠しされてしまった。この虚偽の歴史観で「謝罪を国是」とする戦後体制が構築された。
これから脱するには、昭和史とか大東亜戦争史などといった短期間の歴史から見るのでなく、歴史のスパンを500年に、空間的視野を地球的規模で大観することで、世界史を読み直し、真実に迫らねばならない。
ここで初めて、この大戦は日本が一方的に負けた戦争でないこと、日本が一貫して叫び続けた人種差別撤廃の目的が完全にはたされ地球の地図が一変していることに気がつく。日本は戦いに負けて植民地解放の目的に勝っていたのだ。
東条さんの映画『プライド』は、日本人の誇りを開く入り口になったが、さらにここに、白人侵略の世界史とこれを迎え撃った日本の使命を知れば、一段と自身と誇りを取り戻せると確信する。
21世紀を迎えるにあたって、人類はやり残したことが一杯だ。アフリカの貧困、民族と宗教紛争、中近東問題など、すべてが白人侵略の後遺症である。だから今こそ近世史と、特に20世紀の総括が必要なのである。
『侵略の世界史』清水馨八郎 千葉大学名誉教授
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