つれづれ日記
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2002年07月04日(木) やはりノワールは現れない

どうにも気になって深夜午前3時ごろ、ノワールの餌場に行き、餌トレイを引き上げて来た。蟻がいっぱいたかっていたが、すべて振り払ってよく見ると、餌の端っこが1センチ四方くらい抉り取られている。もしかしてノワールが来て舐め取ったのか?残念ながらそんな風ではなく、アイスクリーム用の木のスプーンでちょこっと掬い取ったような形跡なのだ。

午前中や、午後など「プリンス猫階段」を通りかかった時に、ノワールが芝生の上や車の下で寝ているのを目撃したことがある。そこで、今日夕方5時頃、「プリンス猫階段」へ行ってみた。勿論ノワールはおらずコロちゃんが無防備にひっくり返って眠っていた。持参の爪切りでコロちゃんの爪を切る。嫌がるが押さえつける。目やにがひどいが目薬は持って来なかった。ティッシュでしっかりと拭き取る。やぶ蚊に10箇所くらい刺されてしまった。ものすごく痒いが、30分我慢すれば痒みは去るはずだ。

カリカリを少々あげるとコロちゃんは喜んで食べた。S内さんの水容器にはいっぱい水が入っていたが、一応取り替えておく。そうだ、日中、ノワールを見かけていないか、S内さんに電話して訊いてみよう。(と思っていたら、以心伝心、夜になって彼女からメールが入り、25日の朝、カリカリをあげたが食べなかった。それがノワールを見かけた最後だった、とのこと。)

午後9時にみちよさん宅階段前に集合。ノワールはいない。昨日と同じように、テニスコート横の道を下ってみる。勿論いない。戻って6号棟前、ノワールの餌場を通り、「プリンス猫階段」へ。コロちゃんしかいない。今日は缶詰タッパーを持参して来ているので、小桃の駐車場へみちよさんと一緒に行く。

小桃はすぐに出て来た。後から「新黒」が出て来て、見慣れないみちよさんがいるからか、警戒して近づかない。缶詰をたっぷり盛ると、やって来た。食べている2匹を残して我々はまた「プリンス猫階段」へ戻る。勿論、ノワールはいない。餌場にもいない。置き餌はしなかった。明日からは、ウロウロ探しまわるのは止めて、ノワールが大好きなみちよさん宅階段下で、しばらく時を過ごすことにする。

解散して一旦家に戻ったものの、未練がましく、すぐまた10時半頃、覗きに行ってみた。12時にも。深夜にまた行ってみるつもりだ。

一昨日、やはりお礼とお別れに来たのだという気がする。夜の暗闇の中でしか見ていなかったのでフカフカした黒猫になっているものだとばかり思っていた。が、5月のある朝、「プリンス猫階段」近くで寛いでいたノワールのあまりのみすぼらしさに愕然とした。そしてたった2週間前、食後に身体をボリボリ掻きながら5号棟→4号棟へとゆっくり歩き去っていくノワールを見て、ふとお別れが近いような胸騒ぎを覚えた。

決して懐かない根っからの野良猫だったノワールのこと、みちよさんと私は常々、或る日突然、姿を現さなくなり、それがお別れになるのだとばかり思っていた。それが、殆ど食べられなくなってから10日間、挙動不審ながら毎日、なんとか顔を見せてくれていた。甘え方を知らず懐かないとばかり思っていたが、精一杯の感謝を表してくれたのだろう。今は「プリンス猫階段」近くの生まれ育った竹薮、雑木林の中で人知れずじーっとしているのかも知れない。かねてからそういう別れをするだろうと話し合っていた。それはそれでいいと思う。思わざるをえない。

昨日は、猛獣用手袋で捕獲するんだ!と意気込んでいたが、時間が経つにつれ段々意気込みもしぼんできた。そんな手袋で無理やり押さえつけると、ショック死してしまうのではないか?気持ちは乱れて定まらない。

毎夜、餌容器を置いてくるだけで、その他の時間、ノワールがどこで何をしているのか全然知らなかった。どうやら6号棟の餌場を中心に200メートル四方くらいが生活圏だったようだ。餌場も「プリンス猫階段」でS内さん、M本夫妻から、6号棟脇で我々から、管理人住居の勝手口に置いてあるカリカリの大鍋と、少なくとも3箇所あった。

既に「思い出話」めいた語り口になり涙も滲み出てくるが、勿論、これからまだまだ毎日、餌と捕獲の用意をしてみちよさんとスタンバイするつもりだ。


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