つれづれ日記
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2002年05月18日(土) いろいろと失敗

このところ学院のJ先生が白黒の妊婦らしき猫を捕獲しようと躍起になっている。昨日、お届けした諸岡動物病院から借りて来た捕獲器を使って今朝と午後にも先生はトライしている。4時半頃、学院内で待機していたJ先生からSOSの電話が入った。妊婦猫が捕獲器の入口まで来たところ、茶々とゲンキがものすごい声でケンカを始めたので、妊婦猫はすっ飛んで逃げてしまった、とのこと。そこで集まってきている他の猫たちを遠ざけてほしいという。

M浦さん宅にも即電話する。あいにくおつかいに出たばかりだと電話に出た息子さんは言う。ともかく、もし来ることが出来るのなら帰り次第、学院まで来てくれるように伝言を頼んだ。今日、届いたばかりの捕獲器を持って学院に駆けつける。なるほど、ゲンキ、スミオ、茶々などお馴染みの猫たちが集まっている。持参した新しい捕獲器の使い方を説明する。先生は逆方向に開こうとしていたので慌てて止める。

諸岡医院の捕獲器はどこかと思えば、茂みの奥の方だ。「入ってる!嬉しい!」と先生は大喜びしているが、捕獲器の蓋は開いており、入っているのはとっくに避妊済みの「ワカメ」だった。ステップの奥に先生がホイルに包んだ缶詰を置いておいたのだが、そのホイルごと手前に引き寄せて中身だけ上手に食べて、ステップは全く踏んでいなかったのだ。してみると、とても使い勝手が良さそうに思えたこちらの捕獲器はダメか。その妊婦猫はワカメによく似ているのだそうだ。

学院内で猫たちが悲惨な目に遭わないように部外者の我々ボランティアが自腹を切って奉仕しているのだ。金持ちの学院のボランティア部から補助金を出すべきではないか、などと雑談していると事務長やら猫好きの同僚やらが通りかかる。J先生はその都度、感じ良く頭を下げとても誠実だ。私も精一杯笑顔で挨拶する。

小一時間してM浦さんが現れた。M浦さんにも新しい捕獲器の使い方を説明し、実際にやってもらう。開ける時にJ先生もそうだったが、反対方向に引っ張っている。そうこうしているうちに、鉤を外してもそのまま止まってしまって自動的には閉じなくなってしまった。M浦さんは、「欠陥品だ、返品だ」と言うが、まあまあ、家に帰ってから何とかするべえ。

集まった猫たちに更にカリカリなどを与えていると、土手の方から「濃い三毛」風の猫が下りて来た。M浦さんが、先日見かけた「濃い三毛」よりも若干大きく美人の「濃い三毛もどき」だろうと言う。じゃあ、是非捕まえて動物病院へ、ということになったが、他のオス猫に追われて池の灯篭の中に入り込み、可愛く顔だけ出している。そこから出て来たので素早くM浦さんが抱きかかえることに成功。

キャリーに入れようとすると大抵抗し、M浦さんの手を引っ掻いて血だらけにして逃げた。M浦さんには私が持参した軍手を嵌めてもらう。濃い三毛もどきは然し、遠くへは逃げず、M浦さんがシーツを被せて再び抱っこする。そのまま車に乗り込み、犬山動物病院にはJ先生が電話して直行する。J先生が常に車に積んでいるホコリだらけの頑丈そうなキャリーに移し診察室に入る。そうして既に手術済みの可能性もあるので、それをチェックした後の手術をお願いする。一昨日入院させたモモコにも対面する。少し目がきれいになったようだが、骨格は4ヶ月くらいなのにガリガリに痩せて1kgしかない。

もう7時近い。J先生は中2の息子さんを駅前の塾に送らなければならないとかで我々を置いて行ってしまい、それが済んだら又迎えに来るという。子どもさんたちの課外活動の役員もいろいろとされていて週末も目いっぱい多忙らしい。金髪碧眼ながら全く違和感を感じさせないお母さん先生だ。

学院まで送ってもらい、「山手猫階段」へ行くと週末だけ餌やりによく来る一家が通り道に沢山カリカリを撒いている。階段上の踊り場とか、安全なところに餌を置いてくれるようお願いする。名前と電話番号、メールアドレスを交換する。私と同じ団地の人だった。そろそろ「山手ネコロジー」専用のページを立ち上げたり、もう少し格好をつけなければ。と思うが毎日忙殺されているのでままならない。

その一家が帰ってしばらくするとM本さん夫妻がやって来た。夫妻は今朝もこちらへ餌やりに来てJ先生親子に会ったとのこと。

雨上がりの土曜日、いつもより餌やりさんの数は多い。8時はとっくに過ぎているだろう。私はもう餌やりには来ないことにして、M浦さんは、「本家濃い三毛」の姿が見えないので、後でもう一度来ると言う。

帰宅すると9時近い。お腹がペコペコだ。食事しなくちゃ。
丁度食べ終わった9時半頃、チャイムの音が。みちよさんかなあと思いながら出ると、何とM浦さんだった。彼女が言うのには、何回行っても「濃い三毛」が出て来ない。今日、犬山動物病院へ搬入したのは、「濃い三毛もどき」でも何でもなく【濃い三毛】そのものだったのではないかと言う。

エ〜ッ!そんな〜!ともかく【濃い三毛】の写真を集め、プリントして犬山動物病院にいる三毛猫と照合してみようということになった。病院に電話してみると、11時頃までなら来院してもOKだと言う。そこで慌ててPC内の【濃い三毛】の写真を纏めてプリントすることにした。バラバラに保存されていたので、15分くらいはかかると言うとM浦さん、又もや「山手猫階段」に見に行った。夕食も勿論まだだがそれどころではなく居ても立ってもいられない気分だと言う。

写真を6枚アップし、プリントしたのを持参して病院に駆けつけた時には10時半になっていた。「濃い三毛」をキャリーから出し、仔細に調べる。M浦さんは半年前、「濃い三毛」に手術を受けさせ、術後1週間、家で養生させたのだ。右後ろ足の肉球に少々傷があるというのも、その通り。お腹を探ると手術痕らしい微かなしこりも認められる。間違いなく【濃い三毛】本猫だということになる。

「耄碌した、ボケた」と盛んに反省するM浦さん。「これは濃い三毛じゃないです」とJ先生も断言していたというが、私も含めいい加減だった。昼間と夜では猫たちは違う顔を見せるということが分かった。彼らにしてみれば、夜しか会わない人々が突如、昼間現れて戸惑ったのだろう。あんなにゴロニャン猫のアニーでさえ、昼間はおっかなびっくりだ。

「山手猫階段」に戻り、集まった9匹にも缶詰をあげるが【濃い三毛】には十分に食べさせる。明日は朝10時に集合だ。


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