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| 2005年06月02日(木) ■ |
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| 98映画ノートから「ラブ・ソング」 |
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98.05.02 シネマ・クレール 「ラ ブ ・ ソ ン グ」 ピーター・チャン監督・製作96年香港映画 レオン・ライ/マギー・チャン/エリック・ツァン/クリスティ・ヤン
最初の場面、レオンが香港駅に着いたとき、背中合わせに寄りかかってお互い眠っていた相手が起きたので、ガクンときてレオンも目を覚ます。「私が監督ならこの背中しか見せなかった相手をマギー・チャンにするのにな…」と思ってみていたら、最後の最後でこの相手を明かしてまさしくマギーであったことがわかる。「運命の赤い絲」が繋がっていたということを最後で明かすという心にくい設定。
恋愛映画のパターンによくある10年間にも及ぶ2人の心と体の「すれ違い」の物語。しかし少しもわざとらしくない。そして都合のいい物語ではなかった。それはひとえに2人の自然な演技と監督のていねいな描写によるものだ。だから、ニューヨークの大都会で、二人が出会うことを祝福できたのだ。映画が終わって場内が明るくなったとき、どの人も幸せそうな顔をしていた。こういう映画は文句なく名作なのである。
《現在の感想》 「インファナル・アフェア」で再び香港映画が注目されている現在、レオン・ライもエリック・ツァンも若々しく感慨深い。
中国からの出稼ぎ労働者、返還を前にアメリカに逃げていく人たち、99年の香港返還を前に、今の香港を何とかして記憶に刻み付けたいと思ったのか、二人の恋がそのまま香港の運命にも重なっているようにも感じられる作品。丁寧な撮影であった。さらに今年没後10年になるテレサ・テンの曲が効果的に使われており、改めて彼女の存在の大きさが分かる。
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