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2005年05月29日(日)
98映画ノートから「ユキエ」

98.3.14   松竹 
「ユ キ エ」  
監督・編集・プロデューサー松井久子 脚本新藤兼人 撮影監督阪本善尚
倍賞美津子/ボー・スベンソン/

戦争花嫁、パーキソン病、老人問題、ベトナム後遺症、等の問題を後の背景で写しながら、40年間の夫婦の愛を正攻法の演出でじっくりと撮っている。大した事件が起きるわけではないが、小津安二郎ばりに不思議と説得力をもつ。倍賞美津子がいい。花のある、昔はさぞ華やかな人だったろう。ということを感じさせる初老の婦人を描いて秀逸。ボー・スベンソンが頑固な老人を描いて『息子』を思い出させる。しかし彼にはまだ愛する妻がある。やがては自分さえもすっかり忘れてしまうであろう妻と至福のときを過ごす。最後に舞台となったニューオリンズのバトンルージュ市が超ロングで引けてゆっくりと全体像が写る。彼らの住む町は緑に囲まれているが、10分も車を走らすと倉敷なみの町並みもそろっている。海に面したいい町である。ボランティアの人も来る。決して老人が孤立しいない。『息子』とはおのずと違う。

《現在の感想》
松井久子の第一回監督作品。プロデューサー畑の彼女が思いのたけを集めて作っただけあって、力作だった。ここにはいろんな問題が隠れているが、日本の観客にはやはりパーキソン病のことが一番心に残ったらしい。そして上映活動の中で監督自身もいろんな出会いを持って、鍛えられていく。それが日本を舞台にした「折り梅」に結実する。寡作の監督ではある。しかし、次の作品を早く見たい。