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| 2005年05月22日(日) ■ |
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| 98映画ノートから「萌の朱雀」 |
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98.1.17. シネマクレール 「萌の朱雀」 河瀬直美監督・脚本 國村隼 尾野真千子 和泉幸子 柴田浩太朗 神村泰代 奈良県吉野郡西吉野村 鉄道敷設の中断によって、結局過疎の村を離れざるを得なかった家族の離散、を描く。しかしこれは不幸な物語ではない。例えば、アニメ『蛍の墓』の12才と4才の兄妹が普通の農村で生きたならこうなったかもしれない、と思わせる幸せな時間を映した映画である。(そう思ったのは子役の山口沙也加があまりにも節子の声に似ていたからではあるが)しかし、その「幸せ」は微妙なバランスの上に立っていることを私たちに突きつける。 本当は前半の30分でこの映画の魅力は80%語り尽くしている。国際的評価を得たのはむしろ後半60分であろう。ここで夫は謎の死を遂げる。そのあと言葉にならぬ言葉を語る日本人を細かに描いたことで、そしてその基盤がいかに微妙な関係で成り立っているかを描いたことで、大きな評価を得るのだ。しかし、日本人にとっては自明のことなのである。冒頭の朝食を作る場面、人々は呼吸を合わせて生きているのである。 後半はむしろ、河瀬直美の家族との別離という自分史を描いたにすぎない。 ただ、尾野真千子と神村泰代はよかった。 シネマクレール初日だからだろうか、河瀬直美監督と20センチのニアミスをした。本物の目はまっすぐで、肌はきれいだった。
《現在の感想》 今ではカンヌの新人賞と言われてもそんな大きなニュースにならないかもしれないが、このときは久しぶりの受賞だったので驚いた。 しかし観客を選ぶ作品である。 監督はあまりにも自然な映像を追及するあまり、自然な演技さえも拒否しているように思える。物語の拒否。ともいえるかもしれない。この作品は成功しているだろうと思う。 しかしここで書いているように、この日は監督と鼻がぶつかりそうになるくらい偶然接近してしまった。肌は荒れていたが、目は非凡であった。本物はやはり間近で見ないとわかりませんね。
昨日今日と、予定が合計5つも入っていて、まるで売れっ子タレントみたいに時間区切りで移動していた。毎週土日は忙しくなりそうだ。゜
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