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| 2005年05月10日(火) ■ |
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| 96映画ノートから「Shall we ダンス?」 |
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96/2/3 東宝 「Shall we ダンス?」 原案・脚本・監督周防正行 企画制作アルタラミ・ピクチャーズ 撮影栢野直樹 製作委大映・日本テレビ・博報堂・日本出版販売 役所広司 草刈民代 竹中直人 渡辺えり子 原日出子 徳井 田口浩正 最初に「物語せよといへ、我汝の耳を魅せる話をせむ」というシェイクスピアの言葉が出る。 確かに「ダンスもいいかな」と思ったりする。マイホームを建てたあとの心の空白も理解できる。渡辺えり子が重労働をしながらダンスに夢中になり、役所広司がしだいにのめりこみ、知らず知らずにホームでタップを踊りだすのに共感したりする。原日出子の妻が可愛く、一緒にダンスするところでほろりとさせられてしまう。 しかし、結局周防監督の手の内にはめられてしまったのだ。物語にはめられてしまった。 周防監督の作品に日本映画のどろどろとした部分はない。スピルバーグ的なものもない。エンターテイメントのひとつの方向である。
《現在の感想》 現在公開中の「Shall we Dance?」の「原作」である。もちろんそちらも観たが、その感想はまた次の機会、このシリーズが終わった後で。とはいえ、この感想と比較しながら評価を下している。 私は公開初日ぐらいに見た。だから、上の文章はやがてこの作品がものすごい評価を受けるとは想像せずに書いた批評である。 この作品を絶賛しているような文章になっていないが、「やられた。すごい監督だ。」という感想なのである。最初の「物語せよといへ」は、わざわざ周防監督が自分の映画に自信をっているためシェイクスピアから借りてきた言葉なのかなと、このときは思っていたのだが、彼はそこまで自信過剰ではなくて、あとで『「Shall we ダンス?」アメリカを行く』を読むと、この言葉は本場イギリスのダンス競技会場リヴァプールに掲げられている言葉だったらしい。もちろんそれを目に見えるように掲げたのは、監督の自信の表れなのではあるが。私はこの監督の映画を初めて観て、この言葉に反発しながらも、彼の実力を認めざるをえないなあと思って、こういう文章になったわけです。いや、本当に伊丹監督亡き今、あのからっとした笑いとしんみりした人情を描けるのは、周防監督しかいないと思う。あれからもう9年経ったんだなあ。相当企画も立てただろうに。いろいろ苦労があるのだろうか、草刈民代が、ハリウッド版を見て、「原作をここまで忠実に再現してくれて……」(ハリウッドが私の夫の実力をちゃんと認識していてくれると思ったに違いない)と泣いていたのが印象的でした。早く次回作が待たれます。
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