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| 2005年05月03日(火) ■ |
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| 映画「夏の庭」について(6) |
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おじいさんからは昔の住所を聞いて、 ぼくたちは元の奥さんを探し始めた。 どうしてこんなことをするんだろう。 だって悲しいじゃないか。 確かに人を殺したのは悪いことなのかもしれないけど、 兵士でもないのに殺したといっていた、 元の奥さんみたいな女の人も殺したのかもしれない。でも、 そのためにおじいさんとお嫁さんが別れるなんて悲しすぎる。 おじいさんがそのためにずっと一人でいるなんて寂しすぎる。 微かな手がかりを数珠繋がりにして、 僕らはおばあさんの居所を突き止めた。 おばあさん(淡島千景)は老人ホームにいた。 おじいさんのことなんてぜんぜん覚えていなかった。 僕たちはがっかりする。でもおじいさんをがっかりさせちゃいけない。 僕たちはコスモスの種を買った花屋のおばあさんに おじいさんの元妻の代わりをやってくれと頼む。 そう僕らはあの庭にコスモスの種を植えたんだ。今はずいぶん育っている。 おじいさんと元妻(の身代わり)の対面の日、 僕らはどきどきしながらおじいさんの家に庭から入っていくと、 おじいさんとおばあさんが楽しそうに世間話している。 聞けば、身代わりということはすぐに分かったそうだ。 おじいさんは怒っていなかった。優しかった。 コスモスが咲いた。庭いっぱいに 、緑の海にピンクの花を無数に泳がせている。
今日は憲法の日。 去年までは祝日も仕事なので行けなかったのだが、今年は行く。 引きこもりの家族を見守ってきた斉藤学さんの講演 松元ヒロのパフォーマンス、 テオ・アンゲロプロスの映画の一シーンを思わせるような詩の朗読、 力強い主催者の挨拶、 そうか、今年で明治憲法が存在した58年を超えるんだ、現憲法は。 いろんなことを考える。
松元ヒロの風刺コントは良かった。 最近はライブにお客も来るようになったし、 有名人も来るようになったので、マスコミの人も来るらしい。 マスコミの人の感想は 「面白いんだけど、うちじゃやれないな」 確かに小泉や民主党や実在人間をこき下ろすけど、 お笑いなんだから、面白いんだったら扱ってやれよ、と思う。 集会のパンフに、ホームページに書いている日記風の文章の抜粋があった http://www.winterdesign.net/hiropon/html/weekly/010808.html その中で、韓国人芸人との交流のくだりで、 「余計なお世話だ」と言ってしまうところからは友情は生まれない、 といっていた。その通りだと思う。
ずーと笑いっぱなしのライブがこのときだけは静まり返った。 「ネルソンさん人を殺しましたか」(講談社)の話を紹介したときだ。 ベトナム戦争でベトコンを殺した元兵士が、 アメリカに帰って精神病になってルンペンになる。 お金のために、小学校で戦争の話をするけど、 どうしてもあの体験だけは話せなかった。 帰ろうとして一人の少女が手を上げる。 「ネルソンさんは人を殺しましたか」 ネルソンは葛藤の末、「yes」と答える。目を開ける事ができない。 そのとき腰の辺りに暖かいものが触れる。 その少女が腰に抱きついて言うのだ。 「かわいそうね。ネルソンさん。」 ネルソンさんはそのとき帰還以来の初めての涙を滂沱の如く流す。
三国連太郎のおじいさんもおそらく三人組に救われたのだろう。 今同じ悲劇がイラクで起こっている。
以下次号。
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