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2005年05月01日(日)
映画「夏の庭」について(4)

よくも生えたり、庭の草。すべて小学生より背の高い草ばかり。
けれども、草を刈って片付けると、あらまあ不思議、
だだっ広い庭になりました。
そこにおじいさんがスイカを切って出してくれる。
そのスイカの美味しそうなこと。
ある日山下が魚を持ってきた。彼の家は魚屋なのだ。
魚をさばいて見せる山下。
あるいは、おじいさんはふすまの張り方なんか教えてくれる。
そうこうするうちに、おじいさんも元気になるし、
部屋もきれいになる。そうこうするうちに夏休み。
ある日美人の女先生(戸田菜穂)に出会う。先生に告げ口されたと思って緊張する三人組。けれども先生は意外にもほめてくれた。「おじいさんのところで草刈とか、いろいろ手伝いしているんですってね。感心ね。」女子生徒が好意的に告げ口してくれたのだ。複雑な心境の三人組であった。
あるときおじいちゃんから、昔の話を聞く。それは台風が来ていたとき、薄暗い部屋の中で、ずっと封印していた話を聞く。
おじいさん「結婚していたけど別れた。」
木山「どうして」
おじいさん「それはな……」


初めて人の死んだことに出会ったのはいつだったのだろう。
小学生のころ、近所のポロ借家に「髭のおっちゃん」が住んでいた。
何をしている人かわからない。いつもぶらぶらしていた。今思うとやくざの成れの果てか、奥さんに死に別れた一人やもめだったのか。
ある日家に帰ると、突然葬式をしていた。聞くとあのおじさんが死んだのだという。葬式には行かなかったが、知り合いの人がいまはもう世の中にはいないのだというのはなんか不思議な感覚だった。近所の私より10歳近く年下のやっくんだけは、このおっちゃんになついていて、ずーと泣き通し。しばらく塞いでいたらしい。
もうひとつは中学校入学式の日に、母方の祖母が死んだ。これは葬式に行った。真新しい制服を着て、初めて焼香などをした。「入学式にいけなくてごめんね」私の母親は憔悴しきった顔でつぶやいた。印象的だったのはその日の朝、ご飯を食べているときに、しきりと家の屋根の上でカラスが鳴いたのだ。「縁起が悪いわねえ」と母親はいやな顔をした。それまでずーと祖母の看病をしてきて、危ないことを知っていたのだが、そのひは私の入学式だったので家にいたのである。しかし、そのとき電話が鳴る。電話に出て帰ってきたときの母の顔はくしゃくしゃになっていた。……私は祖母には一回も会った事がない。だから死んで葬式に行ってもぜんぜん実感はわかなかった。ただし、あの母親の顔だけは忘れることが出来ない。
人が死ぬということはどういうことなのだろう。
中学生の私はまだ実感がわかないでいた。
以下次号。