
|
 |
| 2004年12月21日(火) ■ |
 |
| 「上司は思いつきでものを言う」橋本治 |
 |
「上司は思いつきでものを言う」集英社新書 橋本治 著者と編集者が次ぎの新書の企画で話し合った。「サラリーマンの切実な悩みを扱って、彼らに指針を与えて、ものすごく分かりやすい本とかは無いですかねえ」「言葉で言うのは簡単だけどね…」結論が出ない二人は河岸を変え、飲み屋に繰り出す。そこではサラリーマンがくだを巻いていた。「上のやつらは現場のことなんか全然分かっちゃいない」「どうしてあんな思いつきが通るんだよオ」それを聞いた著者は「上司は思いつきでしかものを言わないんだよ。それがひいてはこの日本経済の構造的な欠陥でもあるんだな」ととうとうと説明を始めた。「それ良いですよ。もっと喋ってください。あなたの喋りはそのままで本になりますよ。あとは私がテープ起こししますから…」というわけで著者は三日間にわけて思いつくまま話し始めた。……というこの本の成りたちかと私は思っていた。文章は話し言葉、なので。しかし、あとがきで著者は「パソコンを使わず、万年筆でこの原稿を埋めている」といっていた。よく考えたら、話し言葉は「桃尻娘」以来彼の「文章スタイル」ではあった。一見は分かりやすい。しかし彼は理詰め理詰めでこの本を書いている。だから読んだ人たちは、たぶんほとんどの人が「納得」させられるだろうと思う。あとで細かい異論に気が付く人も多いだろう。著者はしかしその事も承知で書いている。「よーく考える」(上司の立場に立って考える)より「ちょっと考える」(自分の立場に立って考える)です。もっと自由にこの事に書いてあることを自分なりに咀嚼していけば良いと思う。
|
|