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2004年12月12日(日)
「戦争のつくりかた」 りぼん・ぷろじぇくと編

「戦争のつくりかた」マガジンハウス りぼん・ぷろじぇくと編
パンフというものは時に大きな力を発揮する。マルクスの「共産党宣言」もパンフというかたちで出まわった。明治維新を推し進めた福沢諭吉の「学問のすすめ」は第1篇2篇と次々と出版されるブックレットであった。フランス大統領選の前にミリオンセラーになった絵本「茶色い朝」は超右翼が大統領になるのをなんとか食い止めた。そしてこの絵本「戦争のつくりかた」はメーリングリストを通じて出来あがった。有事法制や政府の発言などをつなぎ合わせると実はこんな世界になる、ということを訴えた現代への警笛の書である。冊子版は既に3万部以上売れ、この単行本版も大いに売れているという。この本が広まる世の中というのは良い世の中ではないのだが、私はこの本が広まって欲しい。もとの冊子版、インターネットダウンロードと、いろんなかたちでこの本が広まるのを期待する。ただ、私はこの単行本版が一番「力」を持っていると思う。なぜか。

冊子版には、本文と井上ヤスミチ氏の絵と、巻末に本文の根拠になった条文や議員発言などが紹介だけされてある。私は学習会などの資料になるように、条文などは本文に併せて全文載せて欲しいと思っていた。この単行本版ではそれがある。例えば、「みんなで、ふだんから、戦争のときのための練習をします」という戦前の防空訓練みたいな事をするという本文に対して、国民保護法第42条「指定行政機関の長等は(略)国民の保護のための措置に付いての訓練を行うように努めなけれればならない。」という「根拠」がある事が巻末資料を見ると読めるようになっている。今は「まだまだだ」と思っている人がほとんどかもしれない。しかし「戦争のつくりかた」は既に重要な部分は出来あがっているのを私たちは知るのである。この巻末資料が一番見応えがある。

この本が広まるのが先か、「現実」がこの本の内容を追い越すのが先か、へんな競争も考えてみたりする。