江草 乗の言いたい放題
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2016年03月27日(日) 新幹線が実は国家の滅びを加速させている        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan




 北海道新幹線が開業した。東京から4時間以上かかるわけで飛行機の方がずっと早いし便利である。格安チケットを使えば料金だって飛行機の方が安くなる。しかし新幹線には飛行機にはない利点がある。悪天候でも欠航しないし、何より移動中にも携帯電話やスマホがずっとつながる。そういう意味では新幹線を選ぶ人はかなりいるだろう。4時間という時間も、新大阪鹿児島間と大差ない。

 少子高齢化の波は地方の方が大きな影響が出ている。地方の交通インフラにこうしてゼニを使うことが正しいのかどうかわからない。ただ、オレがここで思うのはなぜ地方のJR在来線がもっと乗客を増やせなかったのかということなのだ。クルマを運転するよりも座っている間に移動できる方がずっと楽であるし事故の心配もない。

 オレが大学生の頃に存在した北海道のローカル線はほとんど消滅した。天北線や標津線などに乗ったことがなつかしい。そうした路線を維持するのにかかる経費は、新幹線のような巨大プロジェクトに比較すれば微々たるものである。「なにもないけど鉄道はある」という状態を細々とでも維持できればそれが大きな財産となったのだ。「経済効率」というただそれだけの理由で地方を切り捨ててきた国家の大きな方針は今更変わらないだろう。しかし、ただ「経済効率」を口にするならば、東京のような家賃や物価の高いところで生活保護を受給する人たちをどんどん田舎に疎開してもらえばどれほどコストが下がるだろうか。いずれ破綻することが確実の生活保護制度をわずかでも延命するためには、地方疎開しかないとオレは思うのである。

 北陸新幹線ができて、首都圏から北陸へという大きな人の流れが生まれた。そうして発生した新たな需要によって富山や石川ではさまざまな新たなビジネスチャンスが生まれているという。その効果をオレは否定しない。しかし、第三セクターにされてしまった在来線の運営は今後どうなるのだろうか。どうして大阪から富山に直通するサンダーバードはなくなってしまったのか。金沢で新幹線に乗り換えることでコスト増になった利用者を救済することは考えなかったのか。一日に4本程度でいいから大阪から富山や新潟に行く在来線特急は残してもらいたかったのである。それは大阪から名古屋経由で長野に直通する特急「しなの」が廃止されてしまったことと共通するのだ。なぜむりやりに新幹線に乗せようとするのか。

特急「しなの」は名古屋〜長野間に運行されていた在来線の特急だが、一日に一往復だけは大阪発だったのだ。3月26日のダイヤ改正でこの「しなの」はなくなった。大阪駅発着の特急「しなの」は、大阪駅を8時57分発で長野駅には13時53分着だった。もしも新幹線を名古屋まで利用すれば大阪駅を1時間遅く出ても同じ時間に長野に着くことができた。しかし特急料金は「しなの」なら3430円で、新幹線利用の4660円と比較すれば1230円も安かった。所要時間は約1時間余分だが、料金は1230円安いというのは時給1230円で働いてるのと同じである。大阪のどケチなオッサンたちが名古屋に行くのに新幹線ではなくて料金が6割程度の近鉄特急を利用するのはそういう理由からだ。多少時間がかかってもその分安かったら許容範囲という人たちをある程度想定して輸送計画を立てればよかったのである。そういう人たちが利用する在来線をもっとちゃんと活かして欲しかったのである。

 短距離客には新幹線「こだま」よりも在来線の快速を安く利用させれば地方の乗客の鉄道離れをもっと防げていただろう。どうしてそんな視点が政府にはなかったのだろうか。高速バスの事故の遠因は、安全でしかも運賃が安価な夜行列車がなくなってしまったことにも求められるのではないか。

 地方の活気を失わせたのは政治家がゼニのことしか考えてなかったからである。地方選出の議員がイナカモンドリームしか考えてなかったからである。都会にどんどん人口が流出しても、田舎はやはり「いつでも帰ってこられる故郷」でなければならなかったのだ。それを失わせて人々をみんな根無し草にしてしまったことが今日本をどんどん衰退させているのである。

 オレが生きている間にもこの国はどんどん滅びに向かって加速していくだろう。今の政治家にはその流れを変えることはできない。誰も100年先のことなど考えていない。もっともその時には日本という国家が存在するかどうかもわからない。巨大地震や巨大津波があと3回くらい来れば、日本列島のほとんどが居住不可能地域となるだろう。それがわかってるのに原発を停止できないのもこの国の情けない政治の姿である。


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