| 2015年09月12日(土) |
ホンダ・S660に乗るということ |
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8月末に納車されたホンダ・S660を通勤に使っている。ホンダがビートの生産中止から19年のブランクを経て復活させた軽自動車の2シータ−、エンジンをミッドシップに搭載した本格的な遊びの車である。3月に注文して納車まで5ヶ月待った。それでやっと手に入ったのである。運転してみて思うことがいろいろある。それを今日は書いてみたいのである。

まず、オレはずっとMT車を運転してきた。それゆえ今回も6速MTを選択した。今そのことを激しく後悔している。なぜか? 運転すると疲れるからだ。オレはもう50歳をかなりこえている。体力も昔と全然違うのだ。だから、のんびり楽チンで運転できるCVTを選ぶのがベストの選択だったのかも知れない。オレは通勤のわずか50分ほどの運転で、お尻に筋肉痛を感じているのだ。なんということだ。もしもCVTを選んでいればこの痛みはなかったのである。
次に荷物だ。オレは仕事に使うパソコンを入れた鞄を助手席の足元に積んでいる。なぜか? 鞄を載せるところが全くないからである。そこ以外に積載スペースがないのだ。だからこのクルマは一人乗りである。学校近くのコンビニで同僚の先生とたまたま遭遇し、「学校まで乗せてください」と言われたが、助手席には鞄が載っかっていたので丁重にお断りしないといけなかった。そう、S660というのはそういうクルマなのである。4輪のバイクみたいなものである。実用性という点では「雨が降っても大丈夫なバイク」という程度に考えた方がいい。基本的にこのクルマは「一人で乗るクルマ」と割り切らないといけないのだ。なんと不便なことだろうか。もっとも通勤メインに使ってるオレは誰かを乗せる必要は全くないのである。夫婦で旅行なんか絶対無理である。
そういう欠点はあるのだが、いやはや、運転していてなんか楽しくなるのである。思い通りに動かせるという楽しさ、ハンドリングのすばらしさ、そして実用域での加速感、小さいことからくる取り回しの簡単さ、駐車場で駐めるときの便利さ、アクセルの操作にレスポンスよく加速し、低い着座位置のせいか低速でも妙に速度感があって迫力があるのだ。スポーツカーを運転してるという気分に浸れるのである。軽自動車だとは思えないのである。前に乗っていた三菱FTOにちっとも遜色ないのである。いや、こちらの方がはるかに楽しくスポーツ走行もどきを楽しめるのである。車両重量がはるかに軽量で、十分すぎるくらいにしっかりとした足回りがあるのだから。
それにしても15年の間にクルマはものすごく進化していた。キーを差し込まなくてもエンジンが始動するなんて。ズボンのポケットにいれたままでOKなのだ。そんなの当たり前だろと笑われそうだが、オレは15年間クルマの進化から取り残されていたのだ。エンジンを切ると勝手にルームランプが点くのだ。そしてクルマから降りてドアロックするとそのルームランプは消えるのである。なんて便利なんだろうか。
ヘッドライトもAUTOにしておけばトンネルのところで勝手に点灯してくれる。そしてもちろん消し忘れもない。オレはよくトンネルを出てからもライトを点けっぱなしで忘れてることが多かったのだがこれからはそんなことはなくなる。シートベルトをしていないと警告音が鳴る。助手席にうっかり鞄などを置くと、センサーがその重量を感知して助手席のシートベルトを締めろとやはり警告音が鳴るのである。しかたなくオレは無人の助手席のシートベルトを引っ張って固定するのだ。
メーターパネルにはなんと燃料消費率が表示される。ちょっとアクセルをふかし気味にすると数値は下がり、エコ運転すると上がる。通勤時のように信号で発進停止を繰り返すふだんの走行パターンならば買ってからの2週間ほどで17�辧�Lくらいである。軽自動車にしては悪い気もするが、もちろんハイオクで10�辧殖未修海修海世辰浸杏�FTOから比較すれば格段の向上である。月に1400�卍�度走るとして、ガソリン代は1万円ちょっとというところだろうか。これもこれまでの約半額である。任意保険も税金もみんな安くなるわけで、年間の維持費が大幅に削減されることは間違いない。
たぶんオレは次に買う時も軽自動車を買うだろう。もっとも次は老人でも運転しやすいミライースとかワゴンRとかN−BOXを選ぶだろうが。もう普通車を選ぶ必然性はどこにもない。日本の生み出した軽自動車という世界はこんなにも進化した。ふだんの運転では時速200キロを出すわけでもなく、高速道路をビュンビュン飛ばすわけでもない。街の中で発進停止を繰り返し、コンビニやイオンモールに出かけるだけなら小さくて維持費の安いクルマがベストチョイスだ。そんな考えの中でオレが選んだ贅沢な軽自動車、それがホンダ・S660である。
非実用性の極致であるこんな2シーターを購入するのはある意味贅沢きわまりない行為である。なぜならもう一台別に普通に人や荷物を搭載可能なクルマがあることが前提になるからだ。幸い我が家にはクルマを駐めるスペースもあるし、私のクルマを通勤専用車と割り切っても家族は誰も困らない。
S660は他のクルマに普通にあるようなさまざまな快適装備が犠牲となってるので、カーナビを設置するスペースもないし、CDやDVDを再生することもできない。代わりにUSB端子がついてるので、そこにIpodをつないで音楽を再生することになる。そのIpodの操作はハンドルから手を離さずにできるようになってる。
とりあえずオレはブックオフに売られていた中古のIpodを5400円で購入した。どうやらこれは第四世代というヤツらしい。メモリは8GBである。そこにさっそく940曲ほど手持ちの音楽データをぶち込んだ。これで今までクルマで楽しめていた音楽はそのまま聴けることとなった。いやはや、とても便利である。
今のオレはS660を運転することが楽しくて仕方がないのである。もちろんAMラジオで野球中継を聴かないときは大音量で音楽を楽しみつつ走るのである。クルマは単なる移動の手段ではないし、自分のステイタスを誇示する道具でもない。世の中にはベンツやポルシェの性能を愛するのではなくて「ベンツに乗れる自分」「ポルシェに乗れる自分」を愛する似非クルマ好きが多いのだが、オレは運転することを楽しみたいのである。でもやっぱりクラッチを踏む左足が疲れるのである。もうオレは若くないのである。
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