江草 乗の言いたい放題
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2015年04月20日(月) ネトゲやめますか?人間やめますか?        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

 覚醒剤や麻薬の中毒になった人間は、まっとうな社会人には二度と戻れない。これは覚醒剤の再犯を何度も繰り返す芸能人や元スポーツ選手を見れば誰でもわかる。小向美奈子や岡崎聡子、清水健太郎が更生できるとはオレには思えない。もはやその禁断症状から逃れられず、ほとぼりが冷めればすぐにまた覚醒剤を手に入れてしまうのである。そうなってしまうともうオシマイである。

 中学生や高校生には麻薬や覚醒剤は簡単に入手できない。もしも援助交際などの方法でそういうものを手に入れることができた者がいれば、二度とまっとうな学校生活には戻れないだろうし、仮に戻れるならばそれはものすごい努力が必要なのだ。堕ちることは簡単だが、一度堕ちてしまった者がまっとうな道に戻るのはきわめて困難である。薬物というのはやめられる時には誰もやめないが、やめようと思った時にはもうやめられなくなってるのである。

 確かに麻薬や覚醒剤は簡単には入手できない。しかし、簡単にその世界に踏み込めるのがオンラインゲーム、通称ネトゲだ。その世界に入るハードルはきわめて低い。そして大勢の人がスマホの画面上でゲームに熱中している。つまり、大多数の人にとってネトゲは「ただの娯楽」なのである。

 しかし、そのネトゲに熱中するあまり、寝食を忘れて24時間打ち込む者が出ることもまた事実である。寝食を忘れるくらいだからもちろん学生の本分である勉強なんかとっくに忘れている。今、日本中に多数存在する不登校の生徒の中にはかなりの割合で、この「ネトゲ廃人」が存在するのである。ネトゲは長時間ログインできる者が圧倒的に有利である。それを実現するためにはもはや働くことも学校に行くこともあきらめるしかないのである。そうして立派なネトゲ廃人が完成する。

 ネトゲは麻薬と同じだ。オレはそれを断言する。そして、麻薬もごく少量ならば薬となる。リン酸コデインはごく少量ならば咳止め効果は絶大だ。しかし、大量に服用すると危険である。モルヒネと似た薬効を持つからである。ごくわずかのネトゲは仕事の息抜きとなったりするだろう。しかし、24時間ほぼぶっ通しでネトゲから離れられない環境にいるためには学校になど行ってられないし、そのためには不登校になるしかないし、その後は自宅警備員(ニート)となるしかないのである。

 麻薬や覚醒剤を断つためには強制入院しかない。決して自分の意志ではやめられないからである。簡単に「今日から止めよう」と決心して止められるようなものならば世間にこんなに覚醒剤中毒の連中はいない。京都の安井金比羅宮に行けば、「彼が覚醒剤を止めてくれますように」という絵馬が多数掛かっている。世間には夫や恋人の覚醒剤を止められずに苦しむ無数の犠牲者がいるのである。夫や恋人の覚醒剤を止めるどころか、酒井法子みたいに夫婦でのめり込むような馬鹿も多い。

 覚醒剤中毒は強制入院しか救えないように、ネトゲ廃人も強制排除以外に救う方法はない。どんなに恨まれてもいい。恋人のスマホを破壊してやるとか、パソコンをぶっつぶすとかいう荒療治以外に食い止める方法はない。あるいはそのオンラインゲームのサービスが突然休止してしまうとかである。ネトゲ廃人が自分から目覚めるのはそのためにすべてを失ってからである。仕事を失ったり、留年したり、何浪もしたりしてはじめて自分が人生の貴重な時間とゼニを失ったことに気づくのだ。周囲の信頼も失ってるかも知れないし、もはや取り返しのつかない状態に追い込まれてるかも知れない。

 人生において一番貴重なのはやっぱり大学受験をはさんだ数年間だが、その数年をネトゲ廃人として過ごした者にはもはやニートになって、引きこもり中年になって、老人になって生活保護を受けるという未来しか残っていない。もちろんその引きこもりの中から起業したりして成功する者もいるかも知れないが、そんなものは全体の0.1%もないだろう。大多数は親不孝の果てに親の死体を隠して年金をもらい続けたり、親にニート生活をたしなめられて逆ギレして親を殺したり、新潟の事件みたいに少女を誘拐して10年以上も監禁し続けたりとろくなことがないのである。ネトゲ廃人がちゃんと就職できない以上、今の日本では安定した生活など不可能だ。親がよほどの財閥で、遊んで暮らせるだけのゼニがあれば別だし、そのネトゲ廃人に株やFXでゼニを稼ぐ才能があればまた違った道が開けるわけだが、そんな例はごく少数だろう。ネトゲで獲得したポイントを販売するRMT(リアルマネートレード)は多くのオンラインゲームで「違法」とされている。もちろんその市場が存在することは事実であり、そこで経験値を稼いでゲーム内のポイントを手に入れるという「労働」が今後一つの就業形態になる可能性をオレは否定しない。しかし、今はまだその段階にまでは至っていないのである。

日本中に大量の不登校の小中高生が存在し、もちろんその大部分は両親のネグレクトや貧困によるもの、学校でのいじめなど本人の責任ではないことから起きるわけで周囲の支援がどうしても必要なのだが、ネトゲ廃人による不登校に関しては100%自己責任である。ネトゲを配信してる企業にも「そんな面白いものを提供してしまった」という道義的責任はあるかも知れないが、大多数の利用者は廃人にもならずにほどほどでやめていることを考えればやはり自己責任というしかない。そして普通の親が子どものゲームをやめさせられないように、ネトゲ廃人の親たちには子どもの状況を改善することはほぼ不可能である。そこでパソコンを隠したり、インターネットに接続できなくしたりすればたいていの子どもは逆ギレして大暴れする。中には親に対して暴力をふるったり刃物を向けたりする者もいるだろう。家族が説得という手段で覚醒剤をやめさせることができないことと同じである。尾崎豊から覚醒剤を取り上げるためには家族が警察に通報するしかなかったのである。子どもをネトゲ廃人から救うためには、親は命がけで立ち向かって、子どもと殴り合いになってでもやめさせるんだという強い意志が必要なのだ。

 アルコール飲料を販売するサントリーやキリンにはアル中患者の発生に対して責任があるだろうか。否である。クルマを販売しているトヨタ自動車には交通事故の責任があるだろうか。これも否である。度を超して飲んでしまうのも、乱暴な運転で事故を起こすのもすべて利用者の責任だ。ネトゲ廃人も同様である。すべてその廃人自身の自己責任なのである。

 ネトゲを止める方法はただ一つ、ログインしないで数日過ごすことである。そのネトゲに使っていた時間をのんびりと何もしないで過ごすことである。それだけで十分だ。数日離れればもうそのネトゲ内の時間はものすごい勢いで流れていて、自分は完全に取り残されているからである。中毒から冷めれば次第に面白くなくなっていく。自分はなんでこんなもののために貴重な時間を費やしていたのだろうかと自己嫌悪に襲われる。そうして目が覚める。

 すべてのネトゲはいつかはブームが去る。今人気のゲームも、ネズミ講と同じで新たな参加者を増やせなくなったら徐々にゲーム人口が減っていく。そして運営側は少なくなった参加者からより多くのゼニをはき出させようとしてさまざまな課金システムを強化する。より多くのゼニを支払えば、これまで手に入れにくかったカードやアイテムが簡単に手に入るようになるという企画を運営側が頻繁に実施するようになれば、そのゲームの寿命が近づいてるということである。かつてミクシで一世を風靡した「サンシャイン牧場」を今でも遊んでる人などオレのまわりには誰もいない。


 信州大の学長は、入学式の祝辞の中で「スマホ止めますか、信大生やめますか?」という究極の選択を学生に示した。もちろん多くの普通の学生にはスマホはそれほど危険なものではない。しかし、ネトゲ廃人たちとってはパソコンやスマホがそれこそ「人間をやめる」かどうかという究極の麻薬となってしまっていることもまた事実なのである。あなたはネトゲやめますか?それとも人間やめますか?

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ネトゲ廃人


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