江草 乗の言いたい放題
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2013年11月15日(金) セメント樽の中の手紙        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 葉山嘉樹の「セメント樽の中の手紙」という有名なプロレタリア文学の作品がある。中学校の教科書に載っていたりする。その中にこんな一節がある。セメント樽の中に小さな木箱が入っていて、その中から手紙が出てくるのである。

 ――私はNセメント会社の、セメント袋を縫う女工です。私の恋人は破砕器(クラッシャー)へ石を入れることを仕事にしていました。そして十月の七日の朝、大きな石を入れる時に、その石と一緒に、クラッシャーの中へはまりました。
 仲間の人たちは、助け出そうとしましたけれど、水の中へ溺れるように、石の下へ私の恋人は沈んで行きました。そして、石と恋人の体とは砕け合って、赤い細い石になって、ベルトの上へ落ちました。ベルトは粉砕筒へ入って行きました。そこで鋼鉄の弾丸と一緒になって、こまかく細く、はげしい音に呪いの声を叫びながら、砕かれました。そうして焼かれて、立派にセメントとなりました。
 骨も、肉も、魂も、粉々になりました。私の恋人の一切はセメントになってしまいました。残ったものはこの仕事着のボロばかりです。私は恋人を入れる袋を縫っています。
 私の恋人はセメントになりました。私はその次の日、この手紙を書いて此樽の中へ、そうと仕舞い込みました。
 あなたは労働者ですか、あなたが労働者だったら、私を可哀相かわいそうだと思って、お返事下さい。
 此樽の中のセメントは何に使われましたでしょうか、私はそれが知りとう御座います。
 私の恋人は幾樽のセメントになったでしょうか、そしてどんなに方々へ使われるのでしょうか。あなたは左官屋さんですか、それとも建築屋さんですか。
 私は私の恋人が、劇場の廊下になったり、大きな邸宅の塀になったりするのを見るに忍びません。ですけれどそれをどうして私に止めることができましょう! あなたが、若し労働者だったら、此セメントを、そんな処に使わないで下さい。


 それは自分の恋人が死んでセメントになったことを訴えるせつない手紙だった。オレがこの小説のことを思い出したのは、次の記事を読んだからである。

ハロウィン商品に、中国「労働矯正施設」からのSOS
The Huffington Post | 執筆者: Meredith Bennett-Smith
投稿日: 2013年11月13日 15時56分 JST

アメリカのオレゴン州に住む母親のジュリー・キースさんは2012年10月、近所のスーパー「Kmart」で買ったハロウィンの飾り付けの箱を開けた。中身は安っぽいデザインの飾り付けだったが、その中国製の飾り付けのすき間に手紙が押し込まれているのをキースさんは見つけた。その内容は、キースさんが29ドルで買った「血まみれの墓石」を模した飾り付けよりも、はるかに心をかき乱されるものだった。
「お客様へ。もしこの製品を買われたなら、どうかこの手紙を世界人権機関にお送りください。中国共産党政府の迫害を受けている数千人の人々があなたに感謝し、あなたのことを一生忘れないでしょう」
罫線入りの紙に片言の英語で書かれたこの手紙は、助けを求める悲痛な嘆願で、中国北東部にある強制労働収容所内からこっそり送られたものだった。
キースさんはこの手紙をFacebookで公開し、地元新聞が取り上げるなどして話題になった。そして1年以上経った今、この手紙を書いた本人だと言う男性の匿名インタビューを、CNNが掲載した。
Zhangという苗字で呼ばれるこの47歳の男性は、2008年に開催された北京五輪の数カ月前、中国が活動を禁止している気功集団「法輪功」のメンバーとして警察に拘束され、禁錮2年半の判決を受けた。そして、遼寧省の省都、瀋陽市ちかくにある馬三家労働教養所(Masanjia Labor Camp)に収容されたという。
Zhang氏は、2年間半にのぼる服役中に、SOSの手紙を20通書いた。同氏は、書いた手紙を英語のラベルが貼られた商品の箱の中にしのばせたが、これは、その商品が海外の店舗で売られることを期待してのことだったという。
「手紙のいくつかが海外で発見されることを期待していたが、そのうちあきらめて、手紙のことは忘れてしまっていた」と、Zhang氏は『ニューヨーク・タイムズ』紙に語っている。
Zhang氏は、知り合いになった人に頼んで、ボールペンを入手したという。また、守衛が見ていない間に、収容者を再教育するための帳面のページを破って便箋代わりにした。
「私は、ベッドサイドテーブルのすき間にボールペンを隠した。手紙を書く時間が取れたのは、他の囚人がみな寝静まった夜遅くだけだった」とZhang氏はCNNに語っている。「収容所の照明はいつも点灯しており、すべての部屋に当番の守衛がいてわれわれを見張っていた」
オレゴン州のテレビ局KATUが、Kmartの親会社であるSears Holdings社に取材したところ、以下の書面が寄せられたという。
問題のハロウィン用飾り付けを製造している工場に対して最近行った監査では、労働収容所が製造の下請けを行っていたという証拠は見つからなかったが、われわれは引き続き調査を行っている。
「わたしは、商品のラベルをよく見て、必要のないものは買わないようになった。特に中国製造の品物については」と、キースさんは語っている。
労働教養は、中国の各地方政府の労働教養管理委員会が、「社会秩序を乱した」といった理由で、裁判抜きで人民を勾留・強制労働させることができる制度。中国司法省によると、2012年末現在、全国351の労働教養施設に約5万人が収容されている。米国政府と中国政府はともに、「労働改造製品」を米国へ輸出することは違法としている(1994年に共同声明を公布)が、実際には国際市場に出回っているのが現状となっている。
[MEREDITH BENNETT-SMITH(English) 日本語版:佐藤卓、合原弘子/ガリレオ]


 中国では今もひどい人権侵害が続いているのだ。この事実を我々は世界で共有し、そして中国政府に改善を求めないといけない。中国共産党の一党独裁支配を崩壊させ、中国に真の民主主義をもたらさないといけないのである。この軍事独裁国家が壊滅すればアメリカもロシアも軍事費にゼニを使う必要がなくなるのだ。

 この手紙に関してなぜオバマ大統領も安倍晋三総理も触れないのか。この手紙の内容を引用して世界に訴え、中国の人権侵害を食い止めようとは思わないのか。それとも「人権」というものは自国民さえ守られているならば他の国はどうでもいいのか。

 どうか、この事実を多くの人々が共有し、情報操作されている中国の民衆にも理解させたいのである。彼らが共産党一党独裁を排除し、真の民主主義国家となれるときに、日本とのわだかまりも溶けるだろう。反日を政治宣伝として使う必要がなくなるからである。


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