江草 乗の言いたい放題
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2011年07月05日(火) いもねぎよ永遠に        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 オレがその「わびすけ」という店に初めて入ったのはまだ大学生の頃だった。同志社大学に通うある女性と何度かデートして、その時にこの店に入ったのである。オレはメニューにあった「いもねぎ」というものが気になって、その後一人で食べに来ることとなった。当時の値段で確か500円くらいだったと思う。大学の生協食堂で食べるカレーライスが140円、ビイヤントのカレーが400円、百万遍の「まどい」のオムレツ定食が440円で食えたのに、その「いもねぎ」ははるかにそれらを上回る値段だった。学生のランチメニューにしては高いと思ったことを覚えている。これがそのいもねぎである。




 その後も京都に出かけたときにふとなつかしくなって、何度か烏丸今出川にあるその店に足を運んで「いもねぎ」を食べたことがあった。いつのまにか二階席は閉鎖されて、昔のにぎわいはなくなったが、それでも店は健在で、店内の水槽では金魚が泳いでいた。まさかその「わびすけ」がなくなってしまうとは誰が予想しただろうか。朝日新聞の記事を引用しよう。

京都の名物食堂「わびすけ」閉店へ 100年の歴史に幕 2011年6月29日
思い出の詰まった「いもねぎ定食」を運ぶ中井咲子さん=京都市上京区、高橋一徳撮影


 同志社大のそばにあり、学生や観光客らに親しまれてきた和風食堂「わびすけ」(京都市上京区)が30日、閉店する。100年近い歴史があるが、客が減り、後継者も見つからないため、第4代主人の中井咲子(さくこ)さん(78)が「心苦しおすけど……」と覚悟を決めた。
 店は、同志社大・今出川キャンパス西側の烏丸通沿いにある。町家の格子戸や使い込んだ木のテーブル、革張りの椅子が並ぶ店内は、タイムスリップしたようなレトロな雰囲気だ。
 前身は、中井さんの祖父が大正初期に開いた喫茶店「中井ミルクホール」。画家でもあった父が引き継いだ後、1957(昭和32)年に店名を「わびすけ」にした。京都の寺院などでよく見かけるツバキの一種、侘助(わびすけ)からとった。
 名物メニューは、オープン当初から続く「いもねぎ定食」(900円)。刻んだジャガイモとタマネギを炒めて卵でとじ合わせ、ミンチ肉を載せたもので、好みでケチャップやしょうゆなどをかける。
 素朴で家庭的な味と、皿からあふれるほどのボリュームが受け、学生や近所の住民に人気が出た。元衆議院議長の土井たか子さんは法学部生だったころからの常連。ニュースキャスターの故筑紫哲也さんや、歌手の小田和正さんは京都に来るたびに顔を出した。ガイドブックにも頻繁に掲載され、観光客も訪れた。


 なななんと、小田和正さんも来ていたのか。オレはこの新聞記事を読んでめちゃんこ驚いた。店で遭遇できればどれほど嬉しかっただろうか。土井たか子や筑紫哲也はどうでもいいが、小田和正さんとはぜひとも逢いたいのである。コンサートを見に行ったのは遠い過去のことだ。記事の中では「好みでケチャップやしょうゆ」とあるが、オレはいつもウスターソースを掛けた。

名物いもねぎ 最後の完食2011年07月01日
 同志社大学前にある京都の名物食堂「わびすけ」(上京区)が30日、100年の歴史に幕を閉じた。別れを惜しむ人が詰めかけ=写真=、昼時には行列ができた。
 ほとんどの人は、ジャガイモとタマネギの卵とじにミンチ肉をのせた名物の定食「いもねぎ」を注文。食材は多めに用意したが、昼すぎには売り切れた。
 同志社大OBの塩崎健吉さん(76)=北区=は「どうしても最後のいもねぎが食べたくて。こんなにいい店が消えていくなんて、学生気質も変わったのかなあ」と残念そうだった。
 食堂は建て替えられ、貸しビルになる予定。店主の中井咲子(さくこ)さん(78)は「皆さんにつぶさんといてな、と言われていたので申し訳ないですが、最後まで愛していただき本望です」と語った。


 後継者がなく、店主も高齢となれば閉店も致し方なかったのかも知れない。オレが気に入って通ってる店はなぜか次々とこのような運命を迎えるのである。なんともせつないのである。もしもこのことを知っていたらオレは迷わず閉店前に出かけただろう。

 この「いもねぎ」自体はそんなに難しい料理ではない。材料を用意すればオレも作ることができる。ただ、他の店がそのメニューをパクらなかったのは、もしかしたら京都人の良心みたいなものだったのかも知れない。たとえ「わびすけ」がなくなっても、オレの記憶の中に永遠に「いもねぎ」の思い出は存在する。もう「わびすけ」は無くなったのだから、ここは他の店が堂々と名物の「いもねぎ」を引き継いで提供すればいいと思うのである。店主の親族の方とか、誰か「この味を残したい」と思う人はいないのだろうか。あるいは全く血のつながりが無くてもいい。新しくできるビルにテナントとして入って、新たなコンセプトで「新・わびすけ」を開業する人はいないのだろうか。この名店が消滅してしまうのがオレはあまりにも惜しいのだ。

 「わびすけ」=「いもねぎ」があまりにも有名となってしまい、他のメニューの存在が忘れられてしまったのだが、実はオレの好みは「きつね丼」だったりするのである。甘く味付けされたおあげさんがたっぷりはいったあの「きつね丼」は絶品だったよ。オレは「いもねぎ」も恋しいが、あの「きつね丼」が食べられなくなったことも残念なのである。さよなら「わびすけ」。さよなら「いもねぎ」。そしてさよなら「きつね丼」。

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