江草 乗の言いたい放題
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2009年02月27日(金) 郵貯のゼニはどこに消えたのか?        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 「かんぽの宿」の払い下げ疑惑でオリックスと日本郵政会社の間にどんな関係があるのかと話題になっている。実はオレがもう一つ気になってるのは「かんぽの宿」をタダ同然でたたき売ったりしている郵貯の資金がどの程度目減りしてるかということなのだ。通常の銀行は預金者から預かったゼニを預金よりも高い利回りで貸し出して運用するわけだ。しかし、郵便局は金貸し業務をしてたわけではない。ということは何らかの手段で運用しないと郵便貯金の利息が払えないわけだ。その使い道がたとえば国債の購入であったりするわけである。しかしかんぽの宿みたいに大赤字の事業もあるわけで、通算するとかなり事業内容はマイナスであるとしか思えないのである。まさか円天みたいに新たな預金者のゼニを利息支払いに回しているなんてことはないと思うのだが。

 郵便貯金のゼニを130兆円預かって運用している日本トラスティサービス信託銀行という資産運用専門の会社がある。この日本トラスティ、実は四季報の至る所に顔を出しているのだ。日本のたいていの主要企業の大株主としてこの日本トラスティの名前が出てくるのである。日本トラスティ信託銀行のWEBサイトには 2009年度の経営状況がPDFファイルの形で載せてある。そこに記載された信託財産額は約200兆円である。この中に日本郵政会社から預かった130兆円が含まれるのだろう。その中に含まれる信託勘定有価証券残高は79兆円である。

 さて、この日本トラスティは昨年の夏にオリックスの株をせっせと買い支えていた。そのおかげで3月には11930円まで下がっていたのが、2ヶ月ほどで倍近い21240円まで上昇したのである。なんと日本トラスティはオリックス株の14%、1298万株を保有する筆頭株主となったのである。

 日本郵政会社の資金を信託運用する日本トラスティが実はオリックスの筆頭株主だった・・・というだけでなんだか怪しいつながりを憶測してしまうわけだが、信託運用する側にしてみれば「有望な投資先だから」という理由で買っていたのかも知れない。しかし、オリックスはその傘下に大京・ジョイントコーポレーションというお荷物の新興不動産会社を抱え、オリックス本体も5兆7千億の有利子負債を抱えているのだ。オリックスの発行しているCB(転換社債)の額面は71円である。償還期限まで保有すれば額面の100円が返ってくるCBが71円で取引されているということは、償還期限までに倒産して紙切れになるかも知れないという恐れから投げ売りされてるのである。

 今やオリックスは、保有する不動産や有価証券の目減りによって実質債務超過状態にある可能性が高いのである。そしてこの会社には疑惑が多すぎる。「かんぽの宿」疑惑どころではない。昨年の9月にあったオリックスによるジョイント救済劇の直前にあった異常なジョイント株の値動きは、情報を事前に知ったオリックス関係者が株買い占めを行ったから発生したものと考えて間違いない。ところがこの疑惑に関してはマスコミ各社は黙殺して全くなんの報道もなされず、警察による捜査の対象にさえあがっていないのだ。それを話題にしたのは昨年9月9日のオレの日記くらいである。あの誰の目にも明かなインサイダー取引事件を知ってるのは投資家以外ではオレの日記の読者くらいしかいないだろう。なぜ情報を漏らしてボロ儲けしたオリックス関係者を証券取引法違反で逮捕できないのか。

 日本トラスティはオリックス株の取得にどれだけゼニを使っていたのだろうか。過去5年間のオリックス株のチャートを見れば、2005〜2007年の株価は25000円〜35000円を推移している。この頃からすでに株主だったわけで、平均取得額を仮に25000円とすれば1298万株で3245億円である。どっひゃ〜と言いたくなる金額である。しかし、今オリックスの株価は暴落してしまって、2月24日には1707円まで下がったのである。1707円×1298万株=221億5686万円である。実に3000億円以上のゼニが株価下落で失われたのである。おいおい日本トラスティ信託銀行よ、そんなことをしていて大丈夫なのかよと言いたくなるのである。

 値下がりしてるのはオリックス株だけではないわけで、他の株もみんな暴落している。日本トラスティは東芝株の9.2%(約3億株)を保有しているが、半導体市況の暴落で2800億円の赤字を抱えた東芝の株価は昨年6月には900円を超えていたのに今日は232円、約4分の1に目減りしている。2700億円あったものが約700億円に目減りしたのである。こんな調子で主力株が軒並み暴落しているわけで、日本トラスティサービス信託銀行の保有する信託勘定有価証券は何分の一にも減っているのだ。79兆円のうち残ってるのはせいぜい20兆円くらいだろう。どうやって穴埋めするつもりなのか。「株価が下げましたので・・・」で預け入れた側は納得するのだろうか。そして日本郵政会社はそんな運用の下手くそなところに130兆円も預けているわけで、そのゼニは本当に保全されてるのかとオレは不思議になるのである。

 もしも国民が「郵便貯金のゼニが心配だ」と思ってみんなが引き出そうとしたとき、350兆円と言われる郵貯のゼニのうち返せるゼニがどれだけ残ってるのだろうか。取り付け騒ぎになればどうするのか。民間の銀行ではなくて郵貯を選ぶのは、全国の郵便局で出し入れできるという便利さもさることながら、国がやってるから絶対につぶれないという安心感もあったはずである。その郵便局では今投資信託がお年寄りたちにじゃんじゃん売られ、その投信のほとんどがこの株価下落で大幅に額面割れしてしまっている。そして郵政会社自体の資産運用がおそらくは悲惨な運用成績になってしまっているのである。その事実はいつ国民に開示されるのだろうか。もしも事実を知らされたら本当に田舎では取り付け騒ぎが起きそうである。

 ゼニを減らしたのは郵政会社や日本トラスティサービス信託銀行だけではない。世界中の投資家がその持ってるゼニを大きく目減りさせてしまったのがこの世界恐慌である。もちろんオレも株価値下がりによってかなりのダメージを受けた投資家の一人である。なんとか景気が回復して株価が上昇してくれないと塩漬け株がどうにもならないのである。日本トラスティにはオリックスのような糞株ではなくてオレが投資している優良株を買い支えて欲しかったのである。


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