江草 乗の言いたい放題
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2008年09月08日(月) なんと、首都東京に姥捨山出現!        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 老人ばかりが住む「限界集落」というのは過疎の山村なんかに発生するのだとオレは思っていたが、どうも最近は違うようである。なんと東京都の戸山団地がこの状況になっているというのだ。オレはこのニュースにかなり驚いたのである。そして、お年寄りたちがどうしてそこで一人暮らししないといけないのかという理由について考えたのである。

新宿に「限界集落」出現 「都心の姥捨山」、65歳以上が半数の団地出現2008.9.7 14:20 このニュースのトピックス:団塊の世代
高齢化率が5割を超す戸山団地で開かれた盆踊り大会=8月下旬、東京都新宿区 東京・新宿区に65歳以上の住民が半数を超える大規模都営団地が出現したことが、同区社会福祉協議会の調査で6日分かった。高齢化に加え建て替えで高齢者が集中したことが原因で、高齢化率トップの群馬県南牧村並みの「限界集落」が都心に生まれたことになる。区社協は孤独死の増加も心配されるとして、対策に取り組み始めた。
 山間地で高齢化率が5割超の「限界集落」は存続が困難とされる。インフラの整った都市の事情は異なるが医療など支援が重要。国立社会保障・人口問題研究所は団塊の世代が多い都市部の都道府県で高齢化が進むとみており、「限界集落」が地域の中心都市に現れる可能性もあり、新たな都市問題となりそうだ。
 超高齢化が判明したのは総戸数約2300戸の「戸山団地」。1990年から全16棟の建て替えが進んでおり、新宿区社協は、約6割の新住民が入居した昨年末以降、成富正信・早大社会科学部教授と調査を開始。
 団地住民が大半を占めるこの地区の住民基本台帳調査で高齢化率が51.6%に達したことや独自調査から、区社協は住民の過半数が65歳以上と推定。高齢化率は19.8%の区平均を上回り、75歳以上の約6割が独り暮らしとみている。
 約340世帯が暮らす2号棟のあるフロアには、独り暮らしの1DKばかり35室が並ぶ。住民の鴛谷幸男さん(79)は「ドアを閉めると中の気配が分からない」と孤立感を話す。共用階段の電球取り換えも、70歳を超える世話役には危険で維持管理も重荷だ。
区社協は住民の高齢化に加え、棟によっては1DKが半数近いなど単身者用に偏った建て替えが、独り暮らしの高齢者の増加につながったと判断。家族向けを増やすなど多様な街づくりを工夫すべきだったと指摘する。
 都住宅整備課は「困窮者を優先入居させる必要があり、単身高齢者が増えた」と、住宅政策としては適切とする。しかし、都市の公営住宅に高齢者が集中する傾向は各地でみられ、成富教授は「人間関係が希薄な都会は住民が孤立しかねない」と、対策を訴えている。
 「ここは都心の姥捨山(うばすてやま)だね」。高齢化率5割を超す東京・新宿区の戸山団地の3号棟で8年前から暮らす本庄有由さん(70)は、つぶやく。同団地で今年、小学校に入学したのは5人、成人式を迎えたのは10人だが、昨年亡くなった高齢者は50人に上るという。
 既に数人の孤独死に立ち会った。「冷房の効いた夏場より、部屋が温まった真冬の方が悲惨な状態で見つかる」といい、何カ月も周りが気付かない共同体は異常と話す。約4年前に妻を亡くし独り暮らしの本庄さんにとって、近所付き合いは最後の「きずな」と思う。
 同団地では、1960年代に発足した自治会が昨年、解散。各棟ごとの夏祭りや食事会、同好会活動は有志で続けている。「住民が集まる口実を絶やさず、互いにドアを開けておくことが大事」と、今夏の盆踊り大会参加者の一人は話した。
 高齢者が増え続ける都市の公営団地は、各地にある。高齢化率23・8%(3月末)と、政令指定都市で最高水準の北九州市。同市門司区にあり、9棟約220戸の後楽町団地を昨年調査した北九州市立大の楢原真二教授によると、住民の高齢化率は87%、平均年齢は約74歳に達していた。
 国立社会保障・人口問題研究所が2006年末にまとめた推計によると、2005年と比べた2035年の老年人口(65歳以上)の増加率は、東京、埼玉、神奈川、千葉の4都県とも60%を超えている。一定程度の高齢化を経た秋田や山形、島根、高知の各県の増加率が1けた台にとどまっているのに対し、首都圏の高齢化はこれから速まる。団塊の世代や若年層が多く住んでいることが原因で、高齢化問題の深刻化が懸念されている。


 3世代同居の家で暮らしてるオレとしては大家族が当たり前だと思ってるのだが、今後の日本は一世帯あたりの人口がどんどん減っていって、いずれは半数以上が単身世帯になるという予測もされている。こんなことになってしまったのは、人々が「帰るべき田舎」を失ってしまったからではないのか。そんな気がするのだ。家に祖父母が同居しているなら若夫婦は子育てを手伝ってもらって共働きすることができる。また、家族の中で長男は実家に残って家業を継いだり、田畑を引き継いで、次男や三男は街に働きに出て、もしも街で何か人生につまづいても、帰るべき田舎があるからそこに戻ってまた一から出直せる、そんな仕組みがかつての日本には存在したのではないか。つまり大家族制は福祉や育児の問題を解決する一つのうまく機能したシステムだったのではないかと。

 ところが家族の単位が小さくなってしまったために、子どもを保育所に預けて働かないといけなくなるのである。それどころか今は離婚がものすごく増えている。母子家庭や父子家庭がどんどん増えてしまっているのだ。今の日本は加速度的に一世帯の少人数化が進んでいると言える。この流れはもう変えられないのだろうか。

 オレはこの老人ばかりになってしまった団地を、逆に老人たちが仲良く共同生活を送る老人パラダイスに造り替えることは不可能なんだろうかと考える。つまり、1DKの個室を集めて大部屋にしてしまって、そこに疑似大家族というか集団生活のコミュニティを作ってしまうという方法である。

 それにしてもオレが不思議に思うのは。一人暮らしの老人が生活保護を受けたりしてる時にその息子や娘が「私には関係ありませんし、養う余裕もありません」という形で親を見捨ててるという実態が多く見られることなのだ。そこまで親子関係が希薄になってしまい、どんな生活をしていようが関係ないという状況はオレには想像もつかない。なんでこんなにみんな冷たくなってしまったんだ。自分の親じゃないか。

 結婚した当初、なかなか子供を作らなかったオレに対して父親は言った。「早く孫を作れ。家に帰ってきても何の楽しみもない!」もちろん親を満足させるために子を作るようなものではないのだが、もう老い先短い老人としては、孫の成長を眺めるというのが大きな楽しみであることは間違いない。その楽しみをなかなか与えてくれない息子に対して、父親が「早くしろ」とせかしたのもわかるような気がする。

 都心の姥捨山に住むお年寄りたちにもちゃんと子や孫が居るだろう。そうして自分の老いた親族を都心の姥捨山に置き去りにしてることに対して、いったいどんな気持ちで居るのだろうか。


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