江草 乗の言いたい放題
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2008年08月21日(木) こんな迷惑なダムはなくしてくれ!        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 なぜ洪水が起きるのか。ダムがあれば洪水を完全に防げるのか。オレは「ダムが災害対策になる」などという口実は、建設利権に群がる連中の真っ赤な嘘だと思っている。堤防をしっかり作ることと、遊水池を作って勢いを弱めることや保水力の高い森林の保全こそが大事であり、100年に一度の大雨のために、水を蓄える余裕を持たせてダムを作って用意しておくなんて実に馬鹿馬鹿しいことだと思っている。

 降った雨水が一気に川に流れるのは、森林が保水力を失っているからであり、たっぷりの腐葉土を含む豊かな土壌は多くの水を吸収することができる。ダム建設の時に森林を破壊しておいて「ダム建設による洪水対策」だなんて本末転倒である。

 ダムにはヘドロが貯まる。自然に流れている川なら、ヘドロが貯まることもなく自然に水は浄化されるのに、こんな障害物を作るからそこに土砂がどんどん貯まる。その貯まった土砂を取り除かないとダムの寿命がなくなる。佐久間ダムみたいにほとんど堆砂によって埋まってしまったダムもある。青森県の津軽ダムのように、堆砂で埋まったダムの上に巨大なダムを作り直すなんてお馬鹿なことをまじめにやろうとしてる計画もある。地元民はそれでお金をばらまいてもらってウハウハなので反対運動もなく、世界遺産である白神山地は破壊されようとしてるのである。

 富山県の黒部川水系にも多数のダムがある。黒四ダムなどは観光スポットとしても名高いが、その下流にはもちろんたくさんのダムがある。そのダムには通常の水を流すゲートだけではなく、排砂ゲートと呼ばれるたまったヘドロをはき出すための水門が設置されている。上流のダムから勢いを付けて、連携して一気にヘドロを海まで押し流すという仕組みになっているのである。これがその排砂ゲートから真っ黒な水が流れる写真である。




 写真で見ればなかなか豪快なものだが、こんな汚れた水が一気に海までながれて悪影響がないはずがない。ダム湖底に沈殿したヘドロがきれいな海にまき散らされるのである。普通に流れている時は自然の力で浄化されるものが、ダムのせいでヘドロとなって悪臭を放つほどになったものを海に一気に流されれば、漁業に影響が出て当然だ。

黒部川の“黒い泥”今年も32万m3排出 漁民が関西電力を提訴 文/藤田 香(日経エコロジー)
2008年8月18日  写真/金谷敏行
 「連携排砂(はいさ)」という言葉をご存じだろうか。2つのダムが“連携”して土砂を吐き出すことだ。富山県の黒部川では、今年6〜8月、連携排砂によってダム湖にたまった32万m3の黒い泥が流れ下った。
 日本有数の清流・黒部川には、「クロヨン」こと黒部ダムの下流に、関西電力の出し平(だしだいら)ダムや国土交通省の宇奈月ダムがある。いずれも通常ゲートとは別に、土砂を吐き出す「排砂ゲート」を持つ。ダム湖に蓄積した土砂を排出すれば、貯水量が増えて発電能力が向上し、海岸浸食を抑制すると期待された。
 ところが、2001年から出し平ダムと宇奈月ダムが連携排砂を始めたところ、ダム湖底でヘドロ化した土砂が下流や日本海に流れ込み(上)、漁業被害が深刻化した。同年、沿岸漁民17人とワカメ栽培組合が排砂差し止めとゲート年中開放を求めて関西電力を提訴。国の公害等調整委員会はワカメとの因果関係を認めたが、関電は根拠無しと請求の棄却を求めている。原告は、2001年以降、沿岸流の方向である河口東側のヒラメ漁獲量が西側の5分の1に落ちているとして魚との因果関係も主張している。
 「毎年ボディーブローのように効いている。今後は宇奈月ダムの提訴も視野に入れたい」と原告団の佐藤宗雄・入善漁協理事。6月に結審し、判決は11月に下される。


 海が汚れてワカメに被害が出るのは誰にでもわかることである。また連携排砂をはじめた2001年から被害が深刻化したということからもその影響であることは明らかだ。しかし、関西電力は「根拠無し」と主張して請求の棄却を求めてるのである。企業として責任を果たそうとする姿勢が全くないのだ。

 漁民たちが関西電力を訴えたこの裁判、どのような決着がつくのだろうか。オレが裁判官に求めたいのは、社会正義の実現である。電力供給の中心が原子力や火力になった今の時代に、水力発電の持つ重要性などもうほとんどない。そこで得られるわずかな電力よりも、大切なのは環境を保護することであり、持続的に利用可能な水産資源を維持することではないのか。そして清流を取り戻すことではないのか。

 排砂ゲートがダム下部についてるのならばそれを常に全開にして、川の水をそのまま通過させてダムそのものの運用を取りやめ、自然環境の回復に努めるべきではないのか。それとも、そこで発電することで漁業被害をすべて賠償し、海の汚れも回復させるだけの資金を稼ぐことができるのか。そこまで環境に負荷を掛けても黒部川での水力発電というのは維持しないといけないものなのだろうか。オレはそれを疑問に思うのだ。

 ダムを造ることでゼニを田舎にばらまく時代はもう終わった。限りある税金は有効に使い、これからは破壊されたモノを回復するためにこそ使うべきなのだ。連携排砂なんてくだらないことをやる前に、ダムそのものの撤去という方向に動き出して欲しい。裁判所はこの漁民たちの訴えをきちっと取り上げて欲しい。

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