江草 乗の言いたい放題
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2007年11月23日(金) わざわざ税金を使って環境を破壊すること        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

 オレは無駄なダム建設を推進する馬鹿官僚とか、沖縄の珊瑚礁の海を埋め立てて米軍に差し出そうとするクソ政治家とかは「国民の未来の幸福を破壊した罪」で死刑にするのが相当だと思っている。真の国益とは何か。そんな大切なことよりも私利私欲を優先するクソ野郎は断じて政治家にしてはならないし、そもそもそんな連中が簡単に当選するこの国の民主主義のレベルの低さにオレはいつもあきれているのである。そんな数々の馬鹿公共事業の中でももしかしたら最悪のものだったのかも知れないあの諫早湾干拓事業が、このたび「失敗百選」に選ばれたというニュースを読んだ。以下アサヒコムの記事を引用しよう。

諫早湾干拓、「失敗百選」に 文科省の外郭団体選定  2007年11月20日17時04分
 国営諫早湾干拓事業(長崎)は、科学技術分野の歴史で重要な事故・失敗例として、文部科学省の外郭団体の科学技術振興機構(JST)がまとめた「失敗百選」に選ばれている。JSTは、失敗から得られた知識や教訓を後世に生かすことを目的に「失敗知識データベース」を作成、インターネットで公開している。失敗百選は、そのなかでも特に「典型的な失敗例」とされる。
 諫早については「ノリを始めとする漁獲高の減少など、水産業振興の大きな妨げにもなっている」と干拓による漁業被害を挙げ、「走り出したら止まらない公共事業という国民的批判と不信を生み出した」と指摘。諫早湾を分断した干拓堤防や調整池からの排水、干潟の消失などが原因と分析している。
 さらに、将来のための教訓として、「国はある時期に実施決定した公共事業であっても、社会経済条件の変化について的確に再評価を行うべきである」とまとめた。
 こうした評価について、農水省諫早湾干拓事務所は「農業面や防災面では高い評価を受けている」と反論する。
 諫早のほかに失敗百選入りしたのは、タイタニック号の沈没(1912年)、日航ジャンボ機墜落事故(1985年)、スペースシャトル・コロンビア号の帰還失敗(2003年)など。
 JSTの前身は科学技術振興事業団。失敗知識データベースは、5人の大学教授でつくる推進委員会(委員長=畑村洋太郎・東大名誉教授)が取り上げる事例を決定し、その指示を受けて専門の研究者らが執筆する。1136件の概要や経過、原因、死傷者数、社会的影響などが記載され、昨年度は国内外から約450万回の閲覧があった。


 費用対効果ということを考えたとき、たかだかあんなわずかな面積の干潟を干拓して農地にしたところで得られるものはわずかである。そもそも農地面積を増やしたところで、一方で政府は国内農業が崩壊するような政策をこれまで続けてきたわけで、もしも真に農業振興を考えるならなぜこれまでしかるべき対策をとらなかったのかとオレは矛盾を指摘したい。たとえばミカンは最盛期には国内で300万トン収穫されていたのが今は100万トンを切るようになった。国民の果物離れはどんどん進んでいるのである。たまたまオレの父親は果物を売る職業に就いてるのでその惨状をオレはよく知る立場にあるのだが、果物をわざわざ買うのは年配の人が多く、若いカップルはもうほとんど買わないのだそうだ。食生活の変化と、果物を食べないライフスタイルが実は国内農業の崩壊に一役買っているのである。そんな状況をどの程度農水省は把握しているのか。農業を再生するのに大切なのは消費の拡大である。国内消費を拡大するにはどうすればいいのか。オレはこの日記で「中国の金持ちに売りつけろ」という主張を書いた。その理由はもう国内消費を増やすことは不可能だというあきらめもあったからである。

 諫早湾の干拓で生まれた農地でいったい何を作るのか。もっとも可能性が高いのはコメであるが、コメの国内消費量は年々減少している。いくらテレビでばかばかしい大食い番組をやったところで国民が大食いになるわけでもなく、実際にご飯を食べる量は減る一方なのである。いっそパンや麺類が今の数倍の値段になって、ざるそば2000円とかラーメン一杯3000円とかになれば、昼食におにぎりを食べる人が増えるかも知れないが、少なくとも今は年々国民はごはんを食わなくなっているのだ。消費拡大のための努力を全くしていないのに状況が変わるわけがないだろう。

 では、諫早湾の干拓で失われたものは何か。それはアマゾンの熱帯雨林のように再生不可能な貴重な環境資源であり、有明海の生物の食物連鎖や水質保全に重要な役割を果たしていた貴重な干潟の消失なのだ。そこまでの代償を支払った以上、それによって生まれた農地から大量の米が生産され、それによって世界の多くの飢餓に苦しむ人たちが救われるなどの劇的な成果が達成されないことにはオレは納得できないのだ。新たな雇用を生み出してそれで長崎県や佐賀県がものすごく豊かになったのか。結果は否である。ろくに活用されていないクソみたいな土地と引き替えに、将来にわたって永久に持続的活用が可能な水産資源を失ったことがどれほど大きな損失であったか。そんな比較もできないような馬鹿が、熱心にこのクソ事業を推進した長崎県知事であったりするのである。

 日本の農業に未来はない。なぜ未来がないのか。それは貿易の自由化によって工業製品を輸出しやすくするためには国内農業は犠牲になってもよいと考えてる連中が政治を支配しているからである。あのCANONの便所野郎みたいな男が経団連会長で、自社の利益を拡大するためには日本の農業が壊滅してもいいと考えているのである。こういうクソ野郎は、農民には補助金のゼニさえばらまいておけばそれでOKと思ってるのである。てめえのせいで壊滅した農業従事者をCANONで雇用しろよと言いたいが、CANONの工場で社員と同じように働いている多くの人たちでさえ正規雇用してくれないクソ企業がそんなことをするわけがないのである。

 今農業に活用されている土地は、農業以外に活用できない場所が多い。そこでモノを生産しなかったら全く使い道がない土地なのである。その土地が富を生み出さなくなったとき、そこで暮らしている人たちは収入の道を断たれる。国内農業を破壊するということは、それらの生活をすべて何らかの形で保障しないといけなくなるわけだ。もしかして農業に従事する人すべてを生活保護の対象にするつもりなんだろうかとオレは思ってしまうのだ。

 どうすればこのような馬鹿な失敗を繰り返さないか。その方法は一つしかない。そんな馬鹿なことを推進した人間を誰か見せしめのために死刑にすることである。罪状は「未来の国民の幸福を奪った罪」でどうだ。オレは中海の干拓事業とか熊本県の川辺川ダムとか長良川の河口堰とかの馬鹿事業の推進者はこの罪に相当すると思っている。もしも実際に死刑が執行されるならば、誰もそんな馬鹿な事業にGOサインを出さなくなるだろう。知事や首長はこのよう公共事業の是非に関して慎重になるだろう。しかし、たかが責任者の死刑ごときでその大きな罪が償えるのかとも思う。諫早湾干拓事業の責任者を死刑にしたところで、すでに殺されてしまった干潟のムツゴロウが生き返るわけでもないし、もはや破壊されたものは二度と再生できないからである。


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