江草 乗の言いたい放題
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2007年01月05日(金) 幼児虐待という病について        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

 昨日紹介した2007年新春特別企画「恋人にはマウスを贈ろう」のページに100名以上の来客があり、マウスのお買いあげも10点を超えました。ご来店ありがとうございました。m(_ _)m 980円のリックスのマウスが一番よく売れています。コストパフォーマンスは最高だし、10ボタンマウスは慣れるとむちゃくちゃ便利ですね。


 冬休み中にオレは図書館で借りてきた「溝鼠(どぶねずみ)」(新堂冬樹)という本を読んだ。登場人物全員が救いようのない悪党で、読後感もまた最悪だが、悪漢小説としてそれなりに面白く読めた。ストーリーは予想もつかない展開だったし、最後まで一気に読んだ。その中に父親が幼い息子を虐待するシーンが出てくる。全裸にして、陰嚢にタバコの火を押しつけるのだ。そしてその火傷の傷にさらにワサビを擦り込むのである。この父親はサディストであり、そうやって虐待することで性的快楽を得るのである。そして感じたのは、世の中にはこのような病を持った人間が少なからず存在するということだ。暴力的に誰かを痛めつけることがすなわち快感なのであり、その加虐性は相手の苦しみを見れば見るほどエスカレートする。読み終えた翌日にこんなやりきれないニュースを知った。

4歳児虐待:死因は七味唐辛子吸い込みによる窒息か 岡山
 岡山県倉敷市四十瀬の幼稚園児、光中翔(かける)ちゃん(4)が死亡し、母親の無職、光中美幸容疑者(31)が先月17日の暴行容疑で逮捕された事件で、翔ちゃんの死因は七味唐辛子を吸い込んだことによる窒息死の可能性が高いことが4日、司法解剖で分かった。左頭部などに皮下出血もあり、県警は死亡についても関与を調べる。
 調べでは、司法解剖で気管や胃の中から七味唐辛子が見つかり、台所に少量が残った七味唐辛子の卓上瓶があった。
 光中容疑者は「寝ていたらうめき声が聞こえ、翔が台所で倒れていた。口の中に七味唐辛子が入っていたので風呂場に連れて行き、水で洗い流した」と供述。しかし、近所の人によると「3日に救急車が来る前、光中容疑者の怒鳴り声や子どもの泣き声が聞こえた」という。また、翔ちゃんは髪を金色に染め、幼稚園に入るまではスカートをはいていたという。
 一方、岡山県は光中容疑者について、虐待の疑いなどで県倉敷児童相談所への通告が04年2月以降6回あったことを明らかにした。うち3回、翔ちゃんを一時保護したが「年齢や光中容疑者の強い希望」で施設には入所させず、自宅に戻していた。水島真寿美所長は「専門家も関与する形で検証したい」と話した。【横山三加子、石川勝義、佐藤慶】
毎日新聞 2007年1月5日 0時01分


 この母親は息子にスカートをはかせたり、髪の毛を金髪に染めたりしていたという。オシャレさせているからかわいがってるとは必ずしも言えない。わが子を自分の思い通りにできるオモチャとしてしかとらえていない場合もあるからだ。親はその虐待を「しつけ」という名で正当化する。今回の事例の場合、虐待の疑いで児童相談所は一時保護しており、この時点で母親の本質に気づけば十分に翔くんを救える余地はあったのだ。

 どの児童虐待事件に於いても、一旦児童相談所に保護された後の方が虐待が激しくなっている。その理由は簡単であり、子どもが保護されている間は親は「虐待できないこと」によるストレスを貯め込んでいるのである。サディストたちにとって子どもを虐待することが日々の生活の中の快楽であり、その快楽を断たれている期間はストレスが蓄積する。それで帰ってきたわが子に対してその分もまとめて虐待するという結果になるのだ。早く欲望を満たしたいので児童相談所の職員の前ではいかにも改心した善良な親の演技をする。児童相談所の職員はそれにころっとだまされてしまうのである。

 もしもそこで「帰さない」という選択が出来れば子どもの命は救えるのだが、たいていそういう親は「どうして自分の子ども連れて帰れないんだ」と正当性を主張するのである。その前になぜ児童相談所にわが子が保護されてるかという認識が欠落してるのである。

 子育ての中で絶対に体罰はいけないなどという主張を展開するつもりはない。どうしても言うことを聞かない子どもに対してお尻をひっぱたくとかビンタを張るとかの罰は必要だろう。しかし、厳寒の中で外にパンツ一丁で立たせるとか、冬に水風呂に入れるとか、犬小屋で寝かせるとか、七味唐辛子を一瓶一気食いさせるとかいうレベルの行為はもはや体罰なんて生やさしいものじゃない。それは明らかに悪意のある虐待行為だ。どんな言い訳をしてもそれをしつけと認めることは出来ない。

 わずか4歳でこの世を去ってしまった翔くんにとって、果たしてその短い人生の中で「生まれてきてよかったよ!」思えるような至福の瞬間は一度でもあったのだろうか。もしもそんな幸福を一度も味わえないままに死んでしまったのなら本当にやりきれないのである。なぜこのような悲劇が起きてしまったのか。子どもを満足に育てられない親のところに生まれてしまったらもうあきらめるしかないのか。子どもはその運命を甘受するしかないのか。

 子どもは親を選べない。どんなサディストでも情けない人間でもサイテーのクズ野郎でも親は親である。親の資格を持たない外道でも生殖行為さえすれば子どもは持てる。その一方で真に子どもを得ることを望みながら思い通りに得られないカップルもいる。やる気のない親や問題のある親から子どもを強制的に取り上げて、そしてちゃんと育ててくれる親に斡旋する強制里子の制度が導入できないものか。いまこの瞬間も日本のどこかで虐待を受けている子どもがいるはずである。もしもそれがオレの隣人であるならオレは誘拐と言われてもその子を救うだろう。


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