江草 乗の言いたい放題
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2006年01月04日(水) このビンボー人再生産システムをなんとかしろ!        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

 日本は豊かになったと言われるが、貧富の差はどんどん拡大している。しかし、貧しい層がますます貧しくなったかというとそうではない。貧しい層は貧しくてもOKというふうになってしまったから始末が悪い。一番ビンボーなのは、自力でナントカしようとがんばって働いているまともな人たちで、そこでギブアップして生活保護を受けるのを選択するとあーら不思議、かなーりまともな生活ができちゃうというのが今の社会福祉の仕組みの不思議さである。

 就学援助という仕組みもそうだ。公立の小中学校で文房具代や給食費、修学旅行費などの援助を受ける児童生徒の数がこの4年間で4割も増加し、東京都足立区などは受給率が40%をこえているという。まさにどっひゃーという数字である。年平均で小学生が7万円、中学生が12万円という金額が給付されるのだが、給食費や修学旅行費は親がパチンコ代とかに使ってしまうことが多いので直接学校が管理してる口座に振り込むようにしているそうだ。受給率7割という学校もあるらしい。いったいどんな地域なんだとオレはびっくりしてしまう。首都圏ではもしかして、教育にゼニを出す余裕のある層、つまり生活に余裕のある層はすべて私学に子供を通わせているのだろうか。

 以前にこの日記では、仙台市で給食費を踏みたおす親がいっぱいいて学校が困っている状況のことを取り上げた。オレは学用品なんて自分で買うものだと思うし、ましてや給食費や修学旅行費を国から出してもらうなんてどうも納得がいかない。そういう子供が一人前にゲームボーイや携帯電話なんかは持っていたりするとちょっと待てよと言いたくなる。ビンボーならそういうものはあきらめるべきじゃないのか。こんなのはどこかおかしいじゃないか。

 オレが子供の頃、クラスの友達の家に遊びに行くとたいてい母親は家にいた。2DKくらいの長屋で5人家族とかが暮らしていて、そんな狭い家でも上がり込んで遊んでいたのだ。家賃もかなり安かったはずである。就学援助なんて気の利いた仕組みがなかったのか、ノートを買えない子や、エンピツや消しゴムさえも持っていない子がいた。そういう子はたくさん持ってる子から恵んでもらったり、先生からもらった短くなった鉛筆を使ったりしていた。

 中学生の時にオレは文芸部に一時期所属していたが、そこには貧乏で原稿用紙が買えず、同じ紙に鉛筆で書いた文字を消しゴムで消してまた使ってるヤツがいた。カッターシャツは袖がすり切れて薄汚れたままで、しかも不良グループにいじめられて昼食のパンを買うためのパシリをさせられていた。彼はオレが大学に進学した年の正月に一度だけ我が家に来たが、オレの母親から「息子は京都の大学に行ったから家にはいないよ」と告げられて帰り、もうそれっきり二度と来なかったらしい。彼が今どんな暮らしをしてるのかオレにはわからない。オレの家も決して豊かとは言えない暮らしだったが彼の貧しさに比べればはるかにマシだった。ただ、世の中にはものすごい貧乏な暮らしが存在し、その運命を変えるためには必死で勉強するか働くしかないということをオレは彼を見ていて感じていたのだ。

 確かに努力によって運命はある程度変えることができた。まぎれもなくビンボー人の一人のはずだったオレは、大学を出てまっとうな職についてそこそこの給料をもらい、さらに投資家としてゼニでゼニを産み出す方法を知った。しかし、大多数のビンボー人はさらにビンボーになった。なぜなのか。それは多くの低所得者をさらにビンボーにしてしまう装置がこの世には存在するからである。

 例えば住宅ローンだ。良質で家賃の安い賃貸住宅が都市に大量にあれば持ち家など必要ないのに、まるで談合して高くさせてるようなぼったくりの家賃が当たり前の状況を作り出して「持ち家の方がトクですよ」「家賃並みのローン」という言葉でだまして35年も掛けて払わせる仕組みだ。3000万の家に結局は5000万払うことになり銀行を儲けさせビンボー人の稼ぎを奪ってしまうのである。妻がローンのためにパートに出ないといけなくなるのである。その建て売り住宅や粗製濫造のマンションはせいぜい30年も経てば建て替えないといけないようなシロモノだ。

 そんなビンボー人たちの娯楽と言えばパチンコだ。このパチンコというのがまたひどいギャンブルで、ほとんどの参加者が負けるようになっている。乏しい稼ぎをさらにそこで奪われて、手元にはまるでゼニが残らないのである。とても子供の教育費どころではない。パチンコ業界の売り上げは年間30兆円くらいあるという。粗利率が5割とすれば15兆というカネが収奪されている勘定になる。まともな教育を受けた人間や金持ちはそんなくだらないギャンブルはあまりしないだろうから、主にこの収奪を受けているのはビンボーで低学歴の人たちということになる。

 そして携帯電話だ。月に15万やそこらという低収入の人間が携帯電話料金だけは2万円くらい使っていたりするのである。生活保護を受けている人もなぜか持っている。こんなものなくても生きていけるのである。それなのにビンボーな人たちがなぜかみんな持っているのである。これはいったいどういうことなんだ。国が社会福祉にじゃんじゃんゼニをばらまいても、そのうち15兆円くらいは最終的にパチンコ業界に流れ、その一部は北朝鮮に送金されていたりするのである。おそらく5兆円くらいは携帯電話代に消えてしまっているだろう。どれだけ税金が無駄になっているのか。

 この末期的状況を打破するためにはどうしたらいいのか。ビンボー人をまっとうに働かせて子供の教育費に少しでもゼニが回るようにするにはどうすればいいのか。一刻も早くパチンコの非合法化、景品の換金の廃止を行うべきである。あの業界を壊滅させるしかないのだ。それによって15兆円の社会保障費が有効に使われることになる。ついで携帯電話の所有に所得制限と年齢制限を課すことである。一定額以上の税金を支払ってる層でない限り携帯電話を持たせないようにするのだ。ビンボー人には携帯電話に無駄なゼニを使わせないようにする。ましてや子供はあんなものは持つ必要ない。

 とどめは住宅政策だ。少子化ですでに家はどんどん余ってきているのである。不便なところにある公団住宅は空き家だらけになっている。余ってるのにどうして高いまま放置してるのだ。空き家にはただ同然の家賃で住めるようにして、家賃の価格破壊をどんどん積極的に進めてしまうのである。住人が無くなった古い長屋でも公的扶助を与えて月500円とかの家賃にすれば、ブルーシートの家よりもマシだということでホームレスが引っ越すだろう。空きテナントだらけになった商店街も、公的扶助で家賃がタダになれば若者が工夫していろんな店を出すだろう。

 ただ、受給要件を厳しくして生活保護費の総額は削ってしまっていい。工夫して自分でゼニを稼がせることが大切だからである。タバコは今の5倍くらいに値上げして、ビンボー人には吸えないようにすればいい。実際のところ喫煙率は高学歴、高収入ほど低いのである。ビンボー人ほどタバコ代というくだらないもののためにゼニを無駄にしているのだ。生活保護世帯は禁煙、禁パチンコ、禁携帯電話ということにして、もしも違反したら即保護費を打ち切るなどの処置をとればいい。

 露天商だったオレの両親は貧しかったが、国民年金はきっちり掛けていたし、国保のゼニもちゃんと支払っていた。親の貧しさを見て育ったオレは、自分がゼニをしっかり稼ぐことでこの両親を支えたいと思ったし、自分がゼニを稼げるようになるにはまず学歴を身につけることしかないと思っていた。今のクソガキどもは、住宅ローンの支払いに追われてビンボーな親を横目にしながら携帯電話に浪費し、勉強もしないでゲームボーイやPSPで遊んでいる。その結果、結婚も出来ないフリーターとなってビンボー世代を重ねてしまうのだ。クソガキどもに意欲を与えるのは困難だ。水を飲まない馬に無理矢理飲ませることができないように。だったら水を欲しがるようにするしかない。欲しければ自分でがんばって手に入れろという仕組みにするしかないのだ。

 そんな政策を国家が打ち出さない限り、このビンボー人再生産システムは永遠に変わらない。いや、変わらないのではなくてますます格差は拡大し、国家は破滅に向かって突き進んでいくのである。おそらくオレはその破滅を見届けながら静かに老いていくのである。「日本ももう終わりじゃ」と言いつつ。

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