
|
 |
| 2003年11月27日(木) ■ |
 |
| 断片を拾う |
 |
ある高校のグランドで練習を見ていた。ブルペンで投げ込む投手を指導者がじっと見ていた。そして、指導者が投手に話しかけた。「おまえ、(腰椎)分離症とかあるの?」。投手は指導者の言葉の意味が飲み込まなかったようで、ノーリアクションだった。すると、指導者は言葉をかえた。「ひげ、剃ってんのか?」。投手はちょっと答えにくそうだった。恥ずかしかったのかもしれない。でも、指導者からの質問だ。ごまかすわけにはいかない。近くない距離で見ていたので、彼の声は聞こえなかったが、仕草で「はい」と言ったのがわかった。指導者はうなづいていた。そして、投手は再び投げ込みを始めた。
なんでヒゲ?一瞬、そう思ったけど、すぐに合点がいった。以前読んだ雑誌に、「本格的なトレーニングはヒゲが生えそろってから」という専門家の言葉があったのだ。ああ、やっぱりそうなんだ。現場を見てそう感じることが出来たのが嬉しかった。もし、その雑誌を読んでいなかったら、「この人、何言ってんの?」で終わってしまっていたかもしれないから。本、読んでてよかった。
何もこのときに限らず、グランドや球場でそういう実感に出会えるときがある。たとえば、雑誌のインタビューとかで、「いつも選手にはこんなことを言っている」と言っていた監督のその通りの言葉をグランドや球場で聴けたときは、サスペンスドラマで言うところの、証拠を見つけたような爽快な気分にもなる。やっぱり、ホントなんだ。(もちろん、その逆もあるんだけど)
雑誌や本や人の話は、私に存在を教えてくれる。そして、球場やグランドにはその断片が落ちている。最近、そんなことを思う。
|
|