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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2003年10月22日(水)
試合終了


 2−5で、その高校の夏が終わった。私は次の試合を見るために球場に着いたばかりで、まだ息があがっていた。サイレンが鳴った。

 サードベースコーチがグランドに突っ伏せていた。夏の終わりを象徴するシーン。これまでの試合展開も知らないし、彼の名前も知らない。でも、生で見るその姿は、やっぱり胸に迫るものがある。私は応援している高校を通じて、“夏が終わる瞬間”を何度も味わっている。この瞬間、時間の流れを忘れる。選手の時が止まり、そして、私の時も止まる。今回もそうなるのだろうと思った。

 ところが、すぐ後ろにいた塁審が、彼のお尻をポンポンと叩く。彼の反応はない。すると、塁審は彼に何か声をかけ、すでにチームメイトが整列しているホームベース付近を指さした。その指は、ムッとして彼を叱っているように見えた。まもなく彼は立ち上がり、小走りでホームベースへ向かった。

 あの瞬間って、こんなに短かったんや。
 こんなあっけないものやったん?
 私は、毎年こんな短い時間にいろんな気持ちを詰め込み、回想までしているんだ。信じられない。どんなにすごい圧縮ファイルやねん。

 もう少し、彼に時間をあげて欲しかったと思う。でも、「まだ試合は終わっていない」と言う塁審の指先は正しい。