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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2003年09月18日(木)
壁の虎


 もういい加減、阪神優勝ネタでひっぱるのはやめた方がいいと思うんだけど、最後にひとつだけ。

 昔、近所、と言っても歩いて10分はかかるのだけど、の家の壁に阪神の虎のロゴが実にリアルにペインティングされていた。おそらく85年の優勝のときに血迷ったこの家の主がやっちゃったのだろう。妻と娘(がいたとしたら)はおそらく反対してたと思う。近所でもちょっと話題になってたかな?

 それから、数年が経ち、世間が阪神の「は」の字も言わなくなっても、壁の虎は健在だった。でも、段々色あせていくのがわかった。「いつか消されてしまうんじゃないか」と心配になりはじめたのは、私がようやく自分の意志で野球を見始めたころだ。随分粘っていたので、ちょっと安心していたら、ある日、虎は忽然と消えていた。ついに妻か娘かが、「お父さん、恥ずかしいからやめて」と言ったのだろう。ずっと粘っていた主も、ふがいない阪神を思って、「そうやな、言われてみれば恥ずかしいわ」とでも思ったのかもしれない。いつごろだったかな?92年の快進撃を迎えることはなかったはずなんだけど。

 かつて虎があった場所は、まわりの壁と同じ色に塗られていた。でも、ペンキの新しさが妙に目立って、「ああ、ここには虎のマークがあったんだな」とますます悲しくなってしまった。阪神はなにかすごく重要な人に見切られたように思えてならなかった。

 こないだ、久しぶりにその家の前を通った。家はこぎれいの建て替えられており、虎を描くスペースはどこにもなかった。